来月20日のオバマ次期大統領の就任式で、米サドルバック教会のリック・ウォレン牧師が祈祷を担当することが確定した。
米国では、大統領就任式での聖職者の祈祷が慣例となっている。近年では、ビリー・グラハム牧師がブッシュ現大統領までの9代にわたって祈祷を担当した経緯から、役割自体に、「米国を代表する牧師の任務」としての象徴的意味あいが含まれてきている。そのため今回の人選が米福音派の世代交代を象徴しているとの見方もある。
ウォレン牧師は、ピース(P.E.A.C.E.) プランという世界規模の宣教プロジェクトを推進しており、同姓婚や人工妊娠中絶などでは保守的な立場を維持しながらも、世界規模で深刻化する貧困、エイズ、環境問題の解決に向けた活動に積極的に取り組んでいる。
オバマ氏は、上院議員時代の06年にサドルバック教会のエイズカンファレンスに出席。大統領選出馬後にも映像メッセージを送るなど、ウォレン牧師のピースプランに関心を示してきた。
ウォレン牧師は18日に声明を発表し、今回の人選について、同姓婚を支持する勢力からの反発を予測した上でのオバマ氏の勇断を賞賛すると表明した。
オバマ氏は同日のシカゴでの記者会見で、同姓婚を支持する自分の立場に変わりはないとした上で、「特定の問題で意見が違っても、結束が重要だ」とし、就任式でも米国民の結束をアピールする意向を示した。