【ジュネーブ=ENI・CJC】16世紀の宗教改革者ジャン・カルヴァンは、厳格なプロテスタントとして捉えられがちだが、ジュネーブで、彼の著作の一部を題材としたカリグラフィー(西洋書道)展示会は、これまで知られなかった改革者の一面を示すものとなった。展示会は、2009年のカルヴァン生誕500周年記念イベントの一環として世界改革教会連盟が主催した。
展示会は、ジュネーブの書家ブリジト・ドンメンの作品13点で構成された。その一つに「笑い、腹一杯食べること、新たな所得、楽器を楽しむこと、ワインを飲むことは禁じられていない」と書かれている。
「そのすぐ後を読めば、カルヴァンが浪費と貪欲について警告していることは分かるが、彼は人生を楽しむことについて語っているのだ」と同連盟神学・教会一致部門のドゥウェ・フィセル牧師は11月17日の開会式で挨拶した。
展示された別のテキストには「人は正当で、適切に制御された政府を認知できる。それは苦しむものと貧しいものを正しく取り扱う」とある。フィセル氏は「テキストだけを見ると、まさに政治声明と考えられるが、それは詩篇82章の注釈で、神の前で罪とされること、恐らく今日の金融恐慌を防ぐのに役立つような自覚について述べたことなのだ」と言い、カルヴァンの言葉は思った以上にインスピレーションの源だ、と語った。
ドンメンの作品12点は、カルヴァン生誕記念にジョン・ノックス国際改革派センターが作成した特製カレンダー2009年版にも使われている。