立教大(東京都豊島区、大橋英五総長)は2日、バングラデシュのダッカ大学と学術交流協定を締結するとともに、グラミン銀行(ムハマド・ユヌス総裁=06年ノーベル平和賞受賞者)を中心としたNGOとの連携を強化し、共同で人材育成を行っていくことで合意したと発表した。立教大は来年創立135周年を迎え、聖公会系のミッションスクールとして、聖公会の世界的ネットワークを活かしつつ、アジア地域を軸とする国際連携を志向している。
笠原清志副総長は先月7日、バングラデシュの大統領府を訪れてイアジュデイン・アーメド大統領を表敬訪問し、アジアの貧困について取り組むNGOとの連携強化、人材育成の方針を伝えて協力の約束を得た。
その後、笠原副総長はダッカ大とグラミン銀に訪れ、立教大との学術交流協定に調印。グラミン銀では、調印式に出席したムハマド総裁と協定に沿った今後の共同プログラムについて意見を交換した。またバングラデシュやタイの主要NGO代表とも会見し、同様の協定を結ぶ方向で合意を得た。
アジア諸国では、NGOが政府や行政の機能を補う形で教育や医療、福祉、環境などの分野で大きな役割を担っている。グラミン銀のマイクロクレジット(無担保の小額融資)による社会的起業の手法は、バングラデシュやタイの貧困対策でも広く用いられており、バングラデシュでは700万人もの貧困層の経済的自立に貢献したと言われている。
立教大によれば、日本の大学がアジアの主要NGOと学術交流や人材育成をめぐっての協定を合意・締結したのは、今回が初めてのケースだという。