【CJC=東京】教皇ベネディクト十六世は8月11日、北伊ブレッサノーネの大神学校で夏期休暇を過ごした後、ローマ近郊の夏の離宮カステルガンドルフォに入った。
教皇は13日、水曜恒例の一般謁見を行なった。バチカン放送(日本語電子版)によると、教皇は、ブレッサノーネでの充実した休暇の間、祈りを託す多くの人々を思い起こし、様々な意向のために祈り続けたことを明かにした。
「祈る者は、困難で絶望的な状況に置かれた時でさえも、決して希望を失うことがない」と、祈りが多くの聖人たちやキリスト者の歩みを支えてきたことを教皇は説き、その現代の証として、教会暦で先日8月9日に記念された十字架の聖テレサ・ベネディクタ修道女(エディット・シュタイン)と、聖母被昇天祭の前日、8月14日の聖マキシミリアノ・マリア・コルベ神父の生き方を示された。
教皇は、アウシュビッツ強制収容所で殉教した両聖人の生涯は、一見敗北と捉えられるかもしれないが、まさに彼らの殉教を通して、エゴイズムと憎しみの闇に打ち勝つ愛が輝くのであるとして、この2人の聖人を支えていた静かで力強い祈りの存在を教皇は指摘した。
迫害の嵐と共に死が迫る日々、「十字架よ、私たちの唯一の希望よ」と心から祈り続けたエディット・シュタイン、餓死牢で毒薬を注射されながら「アベ・マリア」と最期の祈りを唱えていたコルベ神父を教皇は想起した。