米大統領選の民主党指名獲得争いで現在首位に立っているバラク・オバマ上院議員は14日、同議員が通う教会のジェレミア・ライト牧師の発言が問題視され、選挙戦への悪影響が懸念されることなどから、国内の各メディアを通して同師の発言を批判するなどの対応をとった。
オバマ氏はフォックス・ニュースのインタビューで、米同時多発テロは米国が自ら招いたものなどとしているライト牧師の発言について「全く受け入れられず弁解できるものではない」と語った。
ライト牧師は01年9月11日の米同時多発テロ発生後の主日礼拝の説教で、「われわれは広島と長崎に原爆を落として、ニューヨークと国防総省での犠牲者をはるかに越える数十万人を殺している。これはそのしっぺ返しで、米国人によってもたらされたテロだ」(AFP通信)と語ったという。
オバマ氏は、90年代初め頃からシカゴのトリニティー合同キリスト教会に通っており、ライト牧師は同氏をキリストに導き、結婚式においても司祭を務め、2人の娘に洗礼を授けるなど、同氏が長年にわたって慕ってきた人物だという。
合同キリスト教会は今回の騒動をめぐって14日、オバマ氏とライト牧師を擁護する約1400文字の声明を発表し、「我々はいま、これらの攻撃に反対し、誰であろうと我々の教会を、偏狭な政治的、イデオロギー的目的のために攻撃し、また破壊しようとすることを許さないと断言するべきときだ」と非難した。