【CJC=東京】米メディアCNNによると、教皇フランシスコが私信の中で用いた表現がメキシコ政府の反発を買い、バチカン(ローマ教皇庁)が釈明に追われる出来事があった。
発端は、教皇が友人に送った個人的な電子メール。この中で、教皇は母国アルゼンチンで麻薬密売が増えていることを「メキシコ化」という表現を使って嘆いた。教皇は「『メキシコ化』を回避する時間がまだ残っていればいいのだが。メキシコ人司教たちから話を聞いたが、ひどい状況だ」と書いたと伝えられている。
これを受けてメキシコのホセ・アントニオ・ミード外相は「教皇の私信に関して伝えられている発言について、悲しみと懸念を表明したい」と述べ、抗議文を送る意向を表明した。バチカン高官は2月25日、フランシスコ教皇が「メキシコ化」の表現を使ったことを認めるとともに、「メキシコの人々に不快感を与えたり、麻薬密売との戦いにおけるメキシコ政府の対応を過小評価したりする意図はなかった」と述べた。