ところで、十二年の間長血をわずらっている女がいた。…彼女は、…うしろから、イエスの着物にさわった。「お着物にさわることでもできれば、きっと直る。」と考えていたからである。すると、すぐに、血の源がかれて、ひどい痛みが直ったことを、からだに感じた。イエスも、…それをした人を知ろうとして、見回しておられた。女は恐れおののき、イエスの前に出てひれ伏し、イエスに真実を余すところなく打ち明けた。そこで、イエスは彼女にこう言われた。「娘よ。あなたの信仰があなたを直したのです。安心して帰りなさい。…(マルコの福音書5章25節~34節)
この1年のテーマとして神によって与えられたのは祝福への種を蒔くこと。ちょっと気取って「Seed(シード)-Faith(フェイス)」という言葉にしました。種を蒔いていく信仰ということです。祈りを聴いて下さる神が共におられますが、種を蒔かなければ花も実もありません。
日本では、正月には何千万人が初詣に出掛けますが、日本人の75%が、神頼みしたいことがあるそうです。それならば、クリスチャンは救い主イエスを知り、神の救いの業を知っているのですから、信仰を持って2014年の恵みを神に祈りましょう。
あなたの信仰が今、生きて働くことが大切です。今日の箇所でもイエスが、あなたの信仰があなたを癒やしたと言われています。あなたの内にある、癒やされる信仰の種を発見するために3つのことを実行しましょう。
1.きっと治るという信仰を持つ
28節にあるように、この女性は、きっと治ると信じたのです。信仰は知識ではありません。あなたとイエスとの関係です。その中に信仰の種があるのです。
今ならば、イエスのことはすぐに様々なメディアで瞬く間に話題になり、顔も知られていたことでしょう。しかし2000年前、この女性にもたらされたイエスのニュースは、人の噂話ほどのものだけでした。それでもこの女性は、イエスの噂を聞いた瞬間、「この方だ」と見抜くことができたのです。今日、私たちも難しいことは知らなくても、あなたの内にある救い主イエスに対する期待、信仰の種を意識しましょう。あなたも神の力によって癒やされると信じましょう。
2.信仰の行動を起こす
信じた彼女は、ただ何となく信じたのではありません。彼女は、体調の悪い中でもイエスの居場所をつきとめ、一生懸命イエスに向かって近づき、群衆をかき分けて倒れ込むようにしてイエスの着物の裾に触ったのです。治ると信じているなら、今までしようとしなかった行動をし、イエスに向かって一歩でも二歩でも近づくことです。その行動の一つ一つは、必ずあなたに変化を起こします。信仰の行動を起こすという種を蒔くのです。いつもより一回でも祈り、自分や周りの人々の健康や幸せのために、信仰の行動を持って、イエスに向かって種を蒔きましょう。
3.常にイエスに期待し崇める
彼女がイエスの着物に触れたとたん、イエスは、誰かが信仰によって自分に触ったことを実感し、その人物を捜します。この女性は隠せないと思い、イエスの前にひれ伏しました。しかし彼女は、このとき初めて驚いてイエスを崇めたのではありません。彼女が信じて行動を起こした時から、イエスを神として崇める心が生きていました。困った時だけイエスをお手伝いのように使うのではなく、常に主イエスをその通り主として崇め、礼拝する信仰を種として持ちたいのです。
この女性の持っていたのは、素朴で素直な信仰でした。弱さがあり、未完成で足りない私たちも、今日祈る時、きっと癒やしていただけます。そして人生は一変するのです。信仰を働かせ行動を起こし、いつもイエスを崇め主として礼拝する信仰を持ちましょう。それが癒やされる種となるのです。
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万代栄嗣(まんだい・えいじ)
松山福音センターの牧師として、全国各地、そして海外へと飛び回る多忙な毎日。そのなかでも宗教を超えた各種講演を積極的に行っている。国内では松山を中心に、福岡、鹿児島、東京、神戸、広島、高松にて主任牧師として活動中。キリスト教界のなかでも、新進気鋭の牧師・伝道者として、注目の的。各種講演会では、牧師としての人間観、ノイローゼのカウンセリングの経験、留学体験などを土台に、真に満足できる生き方の秘訣について、大胆に語り続けている。講演内容も、自己啓発、生きがい論、目標設定、人間関係など多岐にわたる。
また、自らがリーダー、そしてボーカルを務める『がんばるばんど』の活動を通し、人生に対する前向きで積極的な姿勢を歌によって伝え続け、幅広い年齢層に支持されている。
国外では、インド、東南アジア、ブラジル等を中心に伝道活動や、神学校の教師として活躍している。