統一メソジスト教会は先週、フランク・シェーファー牧師の牧師資格を剥奪するという決定を下した。シェーファー氏が2007年に自分のゲイの息子の結合式を執り行ったためである。その決定を受けて、カリフォルニア州に拠点を置くある監督が自分の教会に参加するよう申し出た。
シェーファー氏が同性愛結婚についての立場を変えず、牧師としての資格を自ら放棄することを拒否したため、メソジスト教会はこの決定に至ったが、その直後ミネルヴァ・カルカーノ監督は、シェーファー氏にカリフォルニア太平洋メソジスト年会に参加しないかと声をかけた。
「シェーファー牧師は主イエス・キリストと共に歩み、自分の息子とそのパートナーに対しても愛を持って接することを選択しただけです。シェーファー牧師のような勇気と信仰を持つ人たちと、私たちも共に歩むべきです」とカルカーノ監督は声明文を発表した。
カルカーノ監督自身はシェーファー氏の牧師としての資格を回復することはできないが、彼女はシェ―ファー氏の見解を支持しており、「信仰厚く聖書に忠実な」他の信徒たちと共に奉仕するよう彼を迎えたいと話す。
南カリフォルニア、ハワイ、太平洋諸島の8万人の信者からなるメソジスト教会のこの地域組織でシェーファー氏がどのような職につくのかはまだ不明である。
米デトロイトニュース紙によると、シェーファー氏は職を保証されているわけではなく、このオファーを受ける前に、彼と彼の妻は神に祈りつつ、この年会に参加するかどうかを検討している。「自分の気持ちとしては傾いているが、家族全員に関わることなので、自分だけで決めるわけにはいきません。非常に真面目に検討しているところです」とシェーファー牧師はデトロイトニュース紙に語った。彼はさらに続けて「カルカーノ監督の歓迎や理解は、とても有り難かったです。彼女のように監督の立場にある方が手を差し伸べて、『あなたのしたことは完全に正しい。誇りに思う』と言ってくれるなんて、素晴らしいことです」と語った。
カルカーノ監督は同性愛に対する統一メソジスト教会の立場は「間違っている」と言い、彼女のシェ―ファー氏への誘いは、彼自身の監督であるペギー・ジョンソンの支持も受けていると話す。
現在のところ、メソジスト教会は戒規に則り、LGBT(同性愛者、両性愛者、性同一障害を持つ者)が聖職につくことを禁じ、牧師が同性愛者の結合式を執り行うことも禁じている。メソジスト教会の公的な立場は以下の通り。
「結婚しているか否かに関わらず、全ての人間は性的な存在であり、性的な関係は一夫一婦の異性間結婚の契約によってのみ認められる(中略)統一メソジスト教会としては同性愛を認めず、同性愛はキリスト教の教えと一致しないものとみなす。神の恵みは全ての者に対して与えられていることは認める。キリストが私達を愛し、受け入れてくださったように、キリスト教共同体においても皆が共に、互いを受け入れ、許し合い、愛し合いながら生きていくことを模索し続けるべきである。レズビアンやゲイの信者、友人を拒絶したり、非難したりしないよう、我々は各家庭、各教会に強く呼びかけるものである」
シェーファー氏の息子の結合式はマサチューセッツ州で合法的に執り行われたものであるが、問題とされるようになったきっかけは、ペンシルバニア州レバノン市にある彼自身の教会に属する信者がメソジスト教会の委員会に訴状を提出したことだった。シェーファー氏は牧師の誓いを破ったとして先月停職処分となり、同性愛に対する教会の立場に従うことを拒否したため、その後牧師資格を剥奪されることになった。