【CJC=東京】イエス・キリストに妻がいた可能性を示す初の文献が見つかったと米ハーバード大学の歴史学者カレン・L・キング教授が発表したことに対し、9月28日付のバチカン(ローマ教皇庁)機関紙『ロッセルバトレ・ロマノ』は「下手な偽造」と否定する記事を掲載した。
問題の文献については、英ダラム大学のフランシス・ワトソン教授も新約聖書の外典『トマスによる福音書』の写本を切り張りした偽物と指摘する論文を発表するなど、疑問の声が上がっている。
同紙は、古代エジプト語(コプト語)で4世紀ごろに書かれたとされる文献が、骨董市場で見つかったとされることや、当時の字体との違いなどを疑問視する専門家の論文を大きく紹介。「いずれにせよ偽物」と結論づけた。
ワトソン教授はロイター通信に、20世紀以降に偽造専門家が金銭目的で「古いパピルスの上に書き加えた可能性がある」と指摘した。共同通信が報じた。