先月末に沖縄と福岡で開催された、日本の諸教会と韓国オンヌリ教会(大韓イエス教長老会統合派)がともに手を取り合って開催するノンクリスチャン対象の大規模伝道集会「ラブ・ソナタ2007」で、韓国人のイ・ミンソプさんが、自身が作詞・作曲し、韓国内だけでなく日本の教会でも頻繁に歌われている名曲「君は愛されるため生まれた」を披露した。
「君は愛されるため生まれた、君の生涯は愛で満ちている」という単純なメッセージに自然と心打たれるのはなぜだろうか。この歌を聞くときに、「私は愛されるために生まれそしていま生きている」ということに「ハッと」気付かされる人は少なくないだろう。特に、全人口のうちわずか1%がクリスチャンである日本では、この永遠不滅の真理が忘れられやすい。「私たちは愛されるために生きている」――私たちの人生の大前提をもう一度思い返すために、イ・ミンソプさんが作詞・作曲した「君は愛されるため生まれた」を聞くことをお勧めしたい。
「君は愛されるため生まれた」はイ・ミンソプさんが1997年に韓国で作詞・作曲した歌。当初は韓国の教会で歌われていたが、韓国国内での人気が海を越え、やがて日本でも歌われるようになった。韓国ドラマ「冬のソナタ」で主演を務めた俳優のぺ・ヨンジュンさんもこの歌に感動し、賞賛している。また、韓国の人気俳優イ・ビョンホンさんが出演した韓国ドラマ「オールイン」でも、主人公のミン・スヨン(女優のソン・へギョさん)が刑務所の中で歌っており、韓国では誰でも知っている名曲だ。
日本ではいのちのことば社55周年の記念アルバムとして04年に発売された。イ・ミンソプ公認訳の歌詞で松本優香、原田博行 with SIESTA、ジャン・チャヌ(ヴァイオリン)、たまりの、ジヨン(韓国語)の5人のクリスチャンアーティスト達がそれぞれ異なるヴァージョンで同楽曲を紹介している。CDの発売当初はゴスペルソングとしては異例の売り上げ枚数を記録したと言われている。
さらに、クリスチャン向け旅行商品の提供などに尽力している旅行会社ジャコアンドワールドは、安らぎと希望を届けるイベントの企画専門部門として「ほっと企画」を昨年5月から実施し、そのイメージソングとして「君は愛されるため生まれた」を採用している。
同社は、「この歌を聴いて『ほっと企画』が生まれた」とコメントしているほど同楽曲を賞賛している。さらに、「年間の自殺者3万人以上、引きこもりやニートも社会問題になっている今の日本。まさしく『きみは愛されるために生まれた」ということを伝えたい。それが『ほっと企画』の願いです」と、ジャコアンドワールド側は「ほっと企画」の主旨を伝えている。「ほっと企画」の内容としては、将来の夢や希望の実現に向けて歩みだすための各種イベント、セミナー、ツアーなどを企画しているという。
また、ジャコアンドワールドは自殺者の減少や幼児虐待等の社会問題の解決を願って、「君は愛されるために生まれた」をより多くの人々に広めていくプロジェクト「『きみ愛』大作戦♪」を昨年12月から実施している。具体的には、ウェブサイト上において同楽曲の動画を配信したり、CD発売の仲介業務を行っている。
警視庁の統計によると、05年度の国内の自殺者数は3万2552人。98年から8年連続で自殺者数が3万人を超えている。自殺による死亡率は世界10位、先進国の中では1位だ。なぜこの国に自殺者が急増したのだろうか。政治不信、不景気、職場や家庭内の問題、人間関係、健康の問題・・・・しかし、最も根本的な問題はこの国の社会から「本当の愛」が失われてしまったことにあるのではないか。
政策やお金では解決できないことがある。壊れてしまった人間社会を復元するためには「愛」について考え直すことが必要だ。ぜひ、「君は愛されるため生まれた」を聞き、自分が「愛されるために生きている」ことを知ってほしい。そしてその愛をもっと多くの人々に伝えていこう。