ローマ教皇庁(バチカン)の日刊紙オッセルバトーレ・ロマーノが16日付1面に「日本経済、竜(中国のシンボル)の攻撃に耐える」との見出しを掲げ、日本の09年国内総生産(GDP)が急成長を続ける中国を辛うじて上回ったとの記事を掲載した。同紙が日本経済について1面で報じるのは異例という。共同通信が伝えた。
記事は、日本の09年のGDPは前年比5・0%減と戦後最悪のマイナス成長だったが中国に抜かれることは免れ、「世界第2位の経済大国」の座を守ったとの内容。日本の内閣府によると、各国比較に使われる09年のドル換算での名目GDPは中国をわずかに上回った。
共同通信の伝えたところによると、バチカンは昨年3月、教皇の発言などを伝える中国語サイトを開設するなど信徒の急増する中国での宣教を強化していることから、オッセルバトーレ・ロマーノの関心は「日本より、むしろ中国にあったのでは」(在バチカン外交筋)との指摘もあるという。