5月16日に84歳で死去した速水優(はやみ・まさる)元日本銀行総裁(日本基督教団阿佐ヶ谷教会会員)の「お別れの会」が1日、東京・大手町の経団連会館で行われた。会には小泉純一郎、福田康夫、羽田孜の各首相経験者や日銀の歴代総裁ら政財界の約1200人が参加した。国内各紙が伝えた。
白川方明・現日銀総裁は弔辞で、20世紀を代表する米国の神学者ラインホルド・ニーバーの有名な祈り「神よ、変えることのできるものについてそれを変えるだけの勇気をわれらに与えたまえ。変えることのできないものについてはそれを受けいれるだけの冷静さを与えたまえ。そして、変えることのできるものと、変えることのできないものとを識別する知恵を与えたまえ」を何度も口にしていたと、速水元総裁のクリスチャンとしての歩みを振り返った。
会は日銀のほか、速水元総裁が社長、代表幹事などれを歴任した双日(当時日商岩井)、経済同友会の共催で行われ、参列者からは「数々の英断を果敢かつ迅速に行った」(与謝野馨財務・金融・経済財政相)、「怖い上司だったが、笑顔が優しく、安心感があった」(加瀬豊双日社長)など、故人をしのぶ声が寄せられた。