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天に思いをはせて

天に思いをはせて(3)全てが与え 星野ひかり

2026年4月2日17時34分 コラムニスト : 星野ひかり
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天に思いをはせて(3)全てが与え 星野ひかり+

主はいつも共におられ、見守っておられる。そのことをどれほど自覚できているでしょうか。そして、共に痛んで、共に喜んでくださっていることを。

そのように聞くことは多くとも、自分の実感としてはなかなか持てなかった私でした。しかし、主は今、私の目の前で生きておられ、見つめてくださっていることを、ようやく実感として持てるようになったのです。

それは、前回の不調の時を経たからこそ感じられるようになったことでした。今まで、どこかしら占いのように「これがうまくゆくならば、主に愛されている」「うまくいかないならば、私は愛されていない」と、主の愛を自分の出来事で計っていたのです。

しかし主は、最悪の出来事の後に、大きな恵みを下さいました。私にとって、それは夫との関係の変化でした。夫の病、そして私の病を通して、主は、夫のかけがえのなさにより、目を開かせてくださいました。夫と共にいる時間が、まるで天国にいるほどに幸せに感じることもあるほどです。

先日、デスクで作業をしている私に、ベッドにいる夫の寝息がふと聞こえてきました。涙がこぼれました。私は、なかなか涙を流さない体質なのですが、ぽろぽろとあふれる涙を慌ててティッシュで拭いました。

「主は、これほどの幸せを下さった」と思いました。そして「これほどの幸せを与えられたのならば、何を取り去られても主を責められようか」とも思いました。

ヨブは、家も家族も取り去られたときに言いました。「主は与え、主は取り去りたもう。主の御名はほむべきかな」。私は、それを思い出して驚きました。恵みの中ではなく、全てを取り去られたときに、そのように言えたヨブの信仰に。

私たちが問題や病の中にあったとしても、それは与えなのではないでしょうか。その時は、なかなかそう思えません。「主よ、なぜですか」と叫ぶばかりです。

しかし、取り去られるとき、私たちは低くされます。弱く、力なく、低い者と。

私も病の不調をここ2年経験し、自信もなくなってしまいました。高いところから感謝したり、与えたり、愛することはできても、低いところから愛したり、与えたり、感謝することは難しいことでした。しかし、それこそ主の生きざまであったことを思わされました。天における全ての権威を捨てて貧しい大工の家にお生まれになり、あざ笑われながら、私たちに命の全てをお与えになりました。

少しでも得たい、上りたいのではなく、少しでも失い、低く、主がおられたところを目指して行く生き方は、なおも尊いのではないでしょうか。そして、そこでしか得られない恵みが豊かにあるはずです。

いつも主はおられ、全てが主の与えです。今のこの時でさえ、主は与えてくださっています。いつかヨブのように、どんな時でも「主の御名はほむべきかな」という信仰に至れることを望んで。

(絵・文 星野ひかり)

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◇

星野ひかり

星野ひかり

(ほしの・ひかり)

千葉県在住。2013年、友人の導きで信仰を持つ。18年4月1日イースターにバプテスマを受け、バプテスト教会に通っている。同年より、クリスチャントゥデイで連載を始める。これまでの掲載作品は、「のりぼと神様」(18年)、「はっつぁんとかおる姫」(同年)、「背徳の街のマリヤ」(19年)、「み使いダニエル」(20〜21年)、「さくら時計」(21〜22年)、「すみれ時計」(22年)、「小菊時計」(同年)、「夜明け前」(22〜23年)、「花嫁」(24〜25年)。

■ 星野ひかりフェイスブックページ
■「花嫁(9)白百合の願い」で取り上げた星野ひかりの石鹸はこちら

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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