日本プロテスタント宣教150周年を記念し、兵庫県内141の教会と韓国オンヌリ教会(ハ・ヨンジョ牧師)が共催したラブ・ソナタ神戸大会。ハ牧師は、「『神様を信じたいですか』という質問と、『愛を受けたいですか』という質問は同じなのです」と語り、「愛を受けたいですか」と観衆に問いかけた。
ハ牧師は、「愛は信仰と希望の完成です」と題して第一コリント13章13節「こういうわけで、いつまでも残るものは信仰と希望と愛です。その中で一番すぐれているのは愛です」を本文に、神の愛について語った。
ハ牧師は、人が幸福になる3つの大切なものとして、信仰と希望と愛を挙げた。
信仰について、「夫が妻を信じていません。妻が夫を信じていません。子どもたちは親を信じていません。国をも信じていません。信じることがないときに、そこは地獄となってしまいます」とハ牧師。「人間は神を忘れてしまいました」と語った。
また希望については、「希望は私たちの未来を創り出します」「希望がある社会、希望がある家族、希望がある子どもたち、これが大切な希望です」と語った。
そして愛については、「言葉では表現できない」ほど重要であり、3つのうちでもっとも大切なものだと語った。
ハ牧師は、昭和16年12月8日の真珠湾奇襲攻撃の総指揮官として陣頭指導を行い、後にキリスト者となった淵田美津雄を紹介。淵田は東京裁判のかたきを取ろうと、米国における日本人捕虜の扱いについて調査していたとき、日本人捕虜のために懸命に奉仕していたマーガレット・コヴェルという一人の米国人女性の話を聞く。マーガレットの両親は日本に遣わされた宣教師であったが、引き上げ勧告に従って退避した先のマリラで日本軍につかまり、スパイ容疑で首をはねられて処刑された。
その知らせを聞いたマーガレットは当初、日本への怒りを抑えられなかったという。しかし、首を切られる直前、両親が日本のために涙を流して祈っていたことを知らされたとき、彼女の心の中に大きな変化が起こり始めた。彼女は日本のために祈り始め、ついには自らも日本の宣教師になることを決意。すぐさま日本にいくことはできなかったが、日本軍捕虜の収容所があると聞き、そこで6カ月間の奉仕活動をした。
淵田は、その話を聞いて大きな衝撃を受けた。自分の両親を殺した敵をゆるし、その者のために仕えることが果たしてどのように可能なのか。戦争相手国への憤りで満ちていた自分の心と照らし合わせながら、淵田は悩み続けた。そんなとき、ある友人に薦められた聖書を読み進める中で淵田は、ゴルゴダの十字架の上でイエス・キリストが祈ったその言葉に出会った。「父よ。彼らをお赦しください。彼らは、何をしているのか自分でわからないのです」(ルカ23:34)
淵田はそこで初めて、マーガレットの両親が処刑場でささげた祈りがどのようなものであったかを悟った。それと同時に、それまでの47年間の人生で自分自身が正しいと思い続けていた「自分」とは全く違う、本当の自分を発見していた。そして、イエス・キリストを心に受け入れた。
ハ牧師は、「神というと私たちは難しく考えますが、本当の神の定義とは愛なのです」と語った。そして、親の愛、友人の愛、男女の愛、祖国への愛、そのようなものとは比べることのできない最高の愛が神の愛であることを強調。「その愛を信じるときまで、私たちは本当の愛を受けたことにはならないのです」と語った。
ハ牧師は、「神様の愛は理論ではありません。理論では神様を感じることはできません。しかし、イエス様と出会うとき、私の罪のために十字架のうえに死んでくださったイエス様と出会うときに、神様の愛を感じ、涙が流れ始め、自分たちの魂がとけていくのです」と語った。そして、聖書を読み、その中で「イエス様と出会ってください」と観衆に訴えた。