ヒルソング教会や開拓20年で3万人の教会へと成長したインドネシアのジャカルタ・プレイズ・コミュニティー・チャーチ(JPCC)のリーダーたちをゲストに迎えた「ワーシップ&リーダーシップ・カンファレンス」が14日から16日にかけ、ライブチャーチ寸座(静岡県浜松市)で開催された。
教団・教派を超えて、日本の地域教会が励まされ、強められることを目的に、2019年に始まったカンファレンスで、今年で4回目の開催。初日の14日夜に行われた1回目のメインセッションでは、JPCCのワーシップチームがほぼ全ての曲を日本語で賛美し、JPCCのゲア・デナンダ牧師が、健康な教会リーダーとなるための5つの習慣について語った。
ゲア牧師は、人生には悪いことを含め、さまざまなことが起こるが、コントロールできるのは自分の内面で起こることだけだと指摘。「何を守るよりも、自分の心を守れ。そこに命の源がある」(箴言4:23)とあるように、自身の内なる存在、魂に気を配ることが大切だと語った。
パウロもエフェソ教会のリーダーたちに対し、「どうか、あなたがた自身と群れ全体とに気を配ってください」(使徒20:28)と勧めている。教会の「群れ」よりもまず先に「自身」に気を配るようパウロが語っていることについては、自己中心ではなく、健全なセルフケアだと説明。教会のリーダーが、この世の光として長期的に輝き、また次世代に信仰のバトンを手渡していくには、まずはリーダー自身が健康であることが大切だと強調した。
その上で、健康なリーダーになるための5つの習慣として、霊的、感情的、知的、人間関係、身体的という5つの領域から話をした。
定期的な休息を取る(霊的)
1つ目の「霊的」な領域では、「定期的に休息を取る」ことを語った。これは意図的に奉仕などのプレッシャーから離れることで、イエス自身も弟子や群衆から離れて、一人で山に登り祈ったことを挙げ、「神様との親密な関係を築くことが最も大切」と話した。毎週の安息日についても、本来の目的は、物理的な休みを取ることではなく、霊と魂が神を通して休むことにあると語った。
また、外面的には神とつながっているように見えても、教会の奉仕などで忙しく、本当の意味で神と出会えていないことは起こり得ると指摘。そうすると、忙しいだけでその働きの本来の目的を失ってしまうと警鐘を鳴らした。
休息を取るためには、そのための時間を意図的に作ることが大切だという。日、週、月、四半期、年といった単位で休息のための計画を立てるべきだとし、休息の計画を立てないのであれば、それは失敗するための計画を立てているのと同じだと話した。
また、こうした霊的な休息の時にすべきことは、「一度立ち止まり、振り返り、神様に導きを求めること」だと説明。「大切なのは神様ご自身とつながることです。しっかりと主につながり、神様にフォーカスが当たるようにすべきです。人々を導くための力を神様から得る必要があります」と話した。
内部のストレスと向き合う(感情的)
2つ目の「感情的」な領域で語ったのは、「内部のストレスと向き合う」こと。人生においてストレスは避けられないが、適度であれば良いものでもある。しかし、過度なストレスは害をもたらす。ゲア牧師は、害をもたらすストレスにはしっかりと向き合う必要があると強調。さらにストレスには、内的なものと外的なものの2種類があるとし、これらを区別することが重要だと話した。
外的なストレスは、自身の外部で発生するもので、これはコントロールすることができない。一方、内的なストレスは、自身の内部で発生するもので、自身でコントロールすることができる。
ゲア牧師は、内的なストレスについて3つの要因があると話す。1つ目は、現実的ではない期待。期待があまりに高過ぎ、現状と釣り合わないとき、ストレスが発生する。リーダーとして教会のチームを導く際、期待通りにいかなければ、それが無意識のうちにストレスになることがある。このストレスに対処するには、自分が抱く期待の度合いを管理することが大切だという。
2つ目は、ネガティブな感情。恐れ、怒り、心配、不安、苦しみ、恨みなどの感情が該当する。しかし、このような感情は誰しもが持つもの。そのため、これらの感情を抱いたときは、その感情を特定し、告白し、責任を持って受け入れることが解決につながるという。
3つ目は、未解決の対立。人生において他者との対立は、たとえ夫婦の間であっても起こり得るもの。この問題に対する解決方法は、逃げるのではなく、向き合うことだという。問題を隠し、まるでなかったかのように振る舞うことはできないとし、逃げずに、向き合うことを学ぶ必要があると話した。
成長し続ける(知的)
3つ目の「知的」な領域における習慣は、「成長し続ける」こと。成長し、新しいことを学び続けることで、情熱を保ち続けることができるとゲア牧師は話す。本を読んだり、カンファレンスに参加したり、学校で学んだりするなど、さまざまな方法がある。一方、情報を得ることで止まってはいけないとし、学んだことを実践し、共有することが大切だと強調。そうすることで継続的に成長できると話した。
健全な友情関係を築く(人間関係)
4つ目の「人間関係」の領域では、「健全な友情関係を築く」ことについて話した。「人間は全てコミュニティーの中で生きるようにつくられています」。ゲア牧師はそう話し、特に牧師などの教会のリーダーは、問題を抱えた人がカウンセリングに来ることが多いため、自分自身が感情的に充実することのできる健全な友情関係を築いておく必要があると語った。
一方、牧師の7割が、親しい友人を持っていないという統計を紹介。「すごく悲しい事実だと思います」と言い、自身の周囲でも、友人がいないために落ち込んでしまう牧師を多く見てきたと話した。また、結婚しているのであれば、人間関係で最も大切なのは配偶者だと指摘。教会の働きが、まるで自身の配偶者のようにならないよう注意を促した。
健康を維持する(身体的)
5つ目の「身体的」な領域では、文字通り身体的な健康の維持の大切さについて話した。夫がフィットネストレーナーだというゲア牧師は、身体的な健康を維持するために、1)十分な睡眠を取る、2)十分な運動をする、3)健康的な食事を取る、の3点を挙げた。今日健康であっても、明日健康であるとは限らないとし、自分自身の体の良い管理人になるべきだと語った。
最後には、テサロニケの信徒への手紙一5章23節を引用し、「ぜひ覚えていただきたいのは、皆さんが周りの人々に贈ることのできる最高の贈り物は、皆さん自身がより健康な人になることです」とゲア牧師。「ですから、皆さん健康でいましょう。毎日、意図的に健康であるように選択しましょう。人々の前に光を輝かせましょう。私たちの良い行い、良い人生を人々が見て、そして主の栄光をあがめるようにしましょう」と話した。