世界のクリスチャン音楽界をリードするヒルソング教会と、開拓20年で3万人の教会へと成長したインドネシアのジャカルタ・プレイズ・コミュニティー・チャーチ(JPCC)のリーダーたちが講演する「ワーシップ&リーダーシップ・カンファレンス」が、11日から13日までの3日間、ライブチャーチ寸座(静岡県浜松市)で開催された。(関連記事:リーダーシップの継承はなぜ難しいのか ヒルソング教会のメインキャンパス牧師が講演)
このカンファレンスは、日本の地域教会がキリストの愛に基づいた文化を建て上げ、霊とまことによる礼拝を力強くささげられるチームを建て上げることを目的に、2017年から毎年この時期に開かれている。
今年のテーマは「アライズ・アンド・ゴー(立ちなさい。さあ、ここから行くのです)」(ヨハネ14:31)。1日目のメインセッションでは、JPCCでクリエイティブ・パスターを務めるゲア・デナンダ氏が「ステイ・ザ・コース(最後までやり遂げる)」をテーマに講演。助け主である聖霊(ヨハネ14:16)について説き、「私たちは一人ではありません。聖霊は私たちのうちに住んでおられ、いつでも(神に)近づくことができます」と強調した。
神から受けた使命の道を最後まで歩み通すことは「一人ではできない」ことを、神はご存じだとゲア氏。十字架にかけられる直前のイエスが弟子たちに語った言葉(ヨハネ14:26、27)を引用しながら、「聖霊が、私たちの人生という船のキャプテンになってくださるのです。何も心配することはありません。聖霊は、私たちが正しく終わりまで旅ができるように導いてくださるのです」と説いた。
使命の道を歩み通すためには、何をすればいいのか。ゲア氏はぶどうの木の例え(ヨハネ15:1〜12)を引用し、「イエスの愛にとどまり、イエスが私たちを愛してくださったように他の人を愛すること。これが、私たちがイエスの道を歩み通すための答え」と強調。「イエスの愛にとどまるなら、道からそれることはありません。喜びは満たされ、あふれ流れます。神の愛にあふれているとき、人々を愛することはとても自然なことになります」と話した。
教会のリーダーが神の愛から目を離してしまうのは、「働きを中心にしてしまうとき」だとし、そうすると「律法的になったり、燃え尽きたりしてしまうのです」と指摘。「私たちの目をイエスに集中させ、イエスの愛の中にとどまりましょう」と呼びかけた。
2日目のメインセッションでは、全世界に広がるヒルソング教会の奉仕者を監督し、ヒルソングワーシップやヒルソング・ユナイテッド、ヒルソング・ヤング・アンド・フリーのリーダーも務めるキャス・ラングトン氏が講演。復活したイエスがエマオに行く2人の弟子に現れた箇所(ルカ24:13〜29)を引用し、「どんなことがあったとしても、失望の中にいてほしくない。イエスと共に歩いてほしい。心をもう一度燃やしてほしい」と呼びかけた。
2人の弟子は、望みをかけていたイエスが十字架刑で殺され、失望の中で故郷に帰る途上だった。「正直に言いますが、この話は自分の話ではないかと思うのです。もしかしたら、皆さんの話にも似ているかもしれません」とラングトン氏。「もちろん私たちは、イエスが全てのことを良いものに変えてくださる方だと知っています。そのイエスが一緒に歩いているのに、失望のあまり、それが見えないことがあるのです」と話した。
2人の弟子は、イエスと聖書の話をしているうちに心が燃やされていた。「燃える心は、聖書の言葉の中にイエスを見ます」。ラングトン氏は、「どんなことがあっても、聖書の中のイエスは変わりません。私たちは聖書の言葉の中にイエスを見いだすことができるのです」と話した。
牧師や信徒リーダーに対しては、「皆さんが持っている、聖書を開くという責任をもう一度覚えてほしい」と強調。「聖書をただ義務として読むのではなく、心から啓示として読んでほしい。毎日聖書を開くたびに、その中にいるイエスと新鮮な形で出会ってほしい」と呼びかけた。
また、「燃える心は、パンを割くこと(コミュニティー)の中にイエスを見る」とラングトン氏。「一人では失望の中にとどまってしまうことがあります。でもコミュニティーの中で仲間がいれば、その仲間が、イエスを再び見ることができるように私たちを励ましてくれます」と語った。
「自分の家を開放して、人が来られるようにしてください」とも励まし、「一つの世代だけではなく、たくさんの世代が共に集って、パンを裂き、イエスのことを賛美し、イエスのことを語り継いでいく。その中に、私たちはイエスを見ることができます」と語った。
最後に、「燃える心は、見えないときにでもイエスを見る」とラングトン氏。「2人の弟子は目が開かれて、イエスの姿が見えなくなったあとも、イエスを見ていたのです。心が燃やされ、『立ちなさい。さあ、ここから行くのです』という目的と使命を再び得て、エルサレムに戻りました。イエスが皆さんの旅路にも共にいるということを、もう一度思い起こしてほしい」と呼びかけた。
3日目のメインセッションでは、ヒルソング・リーダーシップ・ネットワークのチームリーダーで、アジアで開拓されているヒルソング教会の監督も務めるアンディー・ホッパー氏が講演した。
ホッパー氏は、イエスが中風の男性を癒やす箇所(マルコ2:10〜12)を引用し、「私たちにもこの中風の男性のような姿がある。奥深くの部分で壊れていて、神様が本来機能してほしいと望む通りに機能していないことがある」と指摘。「イエスはそのような私たちに『あなたの罪は赦(ゆる)された』『起きて、寝床をたたんで歩け』と言われるのです」と語った。
「世の人々は、自分自身がどれだけ壊れているかに気付かないことがある。周りにいる他の人たちも同じように壊れているから」とも指摘。「でも心の奥深くでは何かが違うと気付いているかもしれない。それに気付くためには、健全な人を見る必要がある」と話した。
その上で、「私たちの人生を通して、立ち上がってもいいのだということを見せる必要がある」と語り、自身の身近な経験を話しながら「日常生活の中で光を輝かせるべき」と強調した。
さらに、中風の男性が癒やされた後、自分で取り上げた寝床は「彼にはもう必要ありませんでしたが、彼が変えられたという印だったのです」と指摘。「かつての壊れた状態は、私たちにとって益となる証しなのです」と話した。
「治らない、治せないという言葉は、神様の辞書にはありません」とホッパー氏。「どのような人でも立ち上がることができるのです。でもそのためには、私たちがまず立ち上がり、床を取っていかなければならないのです」と呼びかけた。
最後には、古い自分の姿を変えられずに苦しむ人々のために、聖霊の力による癒やしと解放を祈った。「立ち上がって、自分の寝床を持ってここから出ていくことができるように。自分の努力で何とかしようとした思いを手放して、今まであなたに委ねたことのなかった部分も全てあなたに委ねます。内側から私たちを変えてください」と求めた。
カンファレンスでは3つのメインセッションの他に6つの分科会が行われ、ヒルソング教会とJPCCのリーダーたちが「伝道とコミュニティーの形成」「礼拝者の姿勢」「リーダーシップの継承」「教会成長とリーダーシップ」「新しい賛美と教会成長」「女性リーダーの育成」をテーマにそれぞれ講師を担当した。2日目夜のワーシップコンサートでは、これまでに200曲以上の賛美を生み出し、中でも「Hosanna(Be Lifted Higher)」が世界的なヒットとなったJPCCのクリエイティブ・パスターでワーシップ・リーダーのシドニー・モヘデ氏が講演した。
カンファレンスで行われた集会はすべて、オンライン・サロン型の学校「ワーシップ&リーダーシップ・アカデミー」で視聴することができる。詳しくはこちら。