毎年1月に超教派で開催される断食祈祷聖会(全日本宣教祈祷運動運営委員会主催)が今年も19日〜21日まで、東京都新宿区の東京中央教会を会場に開催された。「とにかく祈ろう!!」をテーマに3日間、参加者らは断食をしつつ、熱い思いをもって祈りをささげた。
20日夜に行われた一般公開集会では、巡回伝道者の中野雄一郎牧師(マウントオリーブミニストリーズ代表、JTJ宣教神学校国際部学長)が、マルコの福音書11章22〜25節を引用し、参加者らに「神の前に祈ること、それも信仰の祈りを神は私たちの前に突きつけている」「得たりと信ぜよ、されば得べし」とメッセージを語った。
同聖会は21世紀を前にした99年、国際的な学生宣教団体であるキャンパス・クルセード・フォー・クライスト(CCC)創設者の故ビル・ブライト氏の提唱によって始まった。当時は日本各地で断食の祈祷集会が開催され、東京の集会ではブライト氏自らが来日してメッセージを伝えた。また発祥地の米国以上にCCC運動が盛り上がりを見せた韓国からも、韓国CCC総裁のキム・ジュンゴン氏が参加。その後も同聖会の継続を望む声が上げられ、今年で11回目を数える祈祷会となっている。
中野牧師はメッセージの冒頭で、イエスに呪われたいちじくの木が枯れてしまう奇跡について言及、「私たちに対する、日本の教会の実を結ばない私たちへの鋭いメッセージではないか」と投げかけ、しかしイエスは「神を信じなさい。・・・心の中で疑わず、ただ自分の言ったとおりになると信じるなら、そのとおりになります」(マルコ11:23)と語っている。今、「神の前に祈ること、それも信仰の祈りを神は私たちの前に突きつけている」と語った。
北米ホーリネス教団ホノルル教会で約30年間にわたって牧会した中野牧師は、同教会内で起きた不和の後、中野牧師も含めて信徒みなが悔い改めの祈りをささげ、その後教勢が大きく伸びた経験や、巡回伝道者として訪れた日本の教会で、「三十倍、六十倍、百倍の実を結ぶ」という御言葉を信じて献金をささげた人が、ある人は1000倍に、またある人は100倍となった話、また約2年前に患った喉頭がんが、祈りによって約半年間の闘病後癒された話など、祈りの実際の力について語った。
最後には、引用した聖句について、1)まずは神を信じること(22節)、2)山に向かって「動いて、海にはいれ」と言うように、祈りの課題、ビジョンを明確にすること(23節)、3)祈ったことはかなえられるという「得たりと信じる」受け止める信仰(23‐24節)、4)赦すこと(25節)が重要だとまとめた。
同聖会を主催した全日本宣教祈祷運動運営委員会ではこのほかにも超教派での祈祷会を主催しており、5月には世界220の国と地域が参加し祈るグローバル・デー・オブ・プレヤー(GDOP)の東京での集会、8月の終戦記念日近くには「国のために祈る夕べ」などを開催する。