日本同盟基督教団理事会(朝岡勝理事長)は1日、ロシアから軍事侵攻を受けているウクライナのために祈るよう呼び掛ける文書を公式サイトで発表した。
文書は冒頭、旧約聖書から「苦しむ人が踏みにじられ、貧しい人が嘆くから、今、わたしは立ち上がる」(詩篇12篇5節)を引用。昨年発表した教団宣教130周年記念宣言で、「私たちは、暴力と抑圧にさいなまれている地に正義と平和が打ち立てられるようにとりなし祈ります」と宣言していることを挙げ、「今、ウクライナの地がロシアによる軍事侵攻によって暴力にさらされています」とし、ウクライナのために祈るよう呼び掛けている。
具体的には、▽ロシア軍による軍事侵攻の即時中止と停戦の実現、▽ロシア軍の撤退、▽ウクライナの秩序の回復、▽難民化している人々の保護と支援、▽平和のための各国の協力、などを祈りの項目として挙げている。また、混乱に便乗した軽率な議論に流されず、誤情報や扇動に惑わされることがないよう、憎悪や復讐(ふくしゅう)の連鎖が増幅することがないように祈り求めている。
核兵器による威嚇やその使用については「絶対に封じられるように」と懇願。最後には、「平和を求める私たちの祈りに主が答えてくださるように。主が立ち上がり、御手を動かしてくださるように」と求め、再び旧約聖書から「主は地の果てまでも戦いをやめさせる」(詩篇46篇9節)を引用している。
ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻をめぐっては、国内でも他に、日本基督教団や日本バプテスト連盟などの教団が、平和を求める祈りを発表。また、日本キリスト教協議会(NCC)や日本カトリック正義と平和協議会など、多数のキリスト教団体が、軍事侵攻を批判し即時停戦を求める声明を発表している。