キリスト教迫害監視団体「世界キリスト教連帯」(CSW、英語)によると、メキシコ南部オアハカ州で18日、日曜日の礼拝を終え、教会近くに停車した車の中にいた牧師が、武装集団のメンバーに至近距離から銃で撃たれる事件があった。牧師は、病院への搬送途中に死亡した。犯人は逃亡を試みたが、教会の会衆に妨げられ、間もなく逮捕された。
事件があったのは、同州中部トラリスタク・デ・カブレラにある友愛キリスト教会。同教会のアルフレリー・リクトル・クルス・カンセコ牧師が礼拝を終え、教会近くに停車した車の中にいたところ銃撃されたという。
CSWのマービン・トーマス最高責任者(CEO)は声明で、「私たちは、カンセコ牧師の家族と会衆に心から哀悼の意を表します」とコメント。友愛キリスト教会も、フェイスブックに次のように投稿し、哀悼の意を示した。
「私たちは、アルフレリー・リクトル・クルス・カンセコ牧師の逝去を悔やんでいます。カンセコ牧師は私たちの友であり、キリストにある兄弟でした。私たち教会員は、カンセコ牧師を深く愛していました」
CSWによると、犯行の動機は不明だが、メキシコでは最近、宗教指導者を狙う襲撃事件が相次いでいる。今月3日には、北東部のタマウリパス州で、キューバ人移民の支援活動を行っていたアーロン・メンデス・ルイス牧師が拉致される事件が発生している。
トーマス氏はルイス牧師についても言及し、「私たちはルイス牧師の健康状態を懸念しています。メキシコ政府は牧師が安全に帰還できるよう努め、これらすべての犯罪の捜査と容疑者の起訴の手を緩めることのないよう求めます」と述べた。
CSWは、メキシコにおける犯罪集団の拡大と、「犯罪行為を容認する風潮」がプロテスタントやカトリックの指導者に対する暴力の増加につながっていると警鐘を鳴らす。CSWによると、メキシコでは昨年、10人の宗教指導者が殺害されている。