長崎ウエスレヤン大(長崎県諫早市、森泰一郎学長)は来年4月、医療や福祉、教育などの現場で求められる「命」への取り組みを講義する「スピリチュアルケアコース」を九州の大学では初めて開設する。長崎新聞が伝えた。
患者の臨終に深く関わる医療現場に加え、施設で亡くなる高齢者が増加傾向にある社会福祉、命の教育が叫ばれる学校教育の現場でも心のケアの重要性が見直されている。同大は同コースの開設により、広く「心の痛みと向き合うソーシャルワーカー」の育成を行う方針。
同紙によると、同コースは社会福祉学科内に設置され、心理学や臨床心理学、哲学、キリスト教学などを専門の4人の教授陣が受け持つ。2年次からは専門性の高い授業に入り、スピリチュアルケアの理論や技術論を始め、緩和ケア、医療ボランティアに関する履修が計画されているという。
「スピリチュアルケア」は新しい学問領域で、昨年秋に聖路加国際病院理事長の日野原重明氏が理事長を務める日本スピリチュアルケア学会が発足したばかり。現時点で国家資格としての位置付けはないが、同大学はコース修了学生を「スピリチュアルケアワーカー」として独自に認定し、就職時にアピールできる態勢を整えるという。