米世論調査会社「ギャラップ」は、米国人の教会出席率に関する最新の調査結果(英語)を発表した。それによると、カトリックは低下傾向が続く形となったが、プロテスタントはほぼ横ばいとなった。一方、人口に占める割合は逆の結果となり、カトリックはわずかな低下に留まっているが、プロテスタントは大きく低下していることが分かった。
調査は、1955年、65〜66年、75年、83〜86年、95〜96年、2005〜08年、14~17年の各年・期間に行われた集計に基づいている。
それによると、最新となる2014〜17年のカトリックの教会出席率(過去7日間に教会へ行った人の割合)は39%だった。最高は1955年の75%で、それからほぼ半減しており、ギャラップ社が記録を開始して以来の最低を示した。年齢別に見ると、若者の間で低下が著しい。1955年には21〜29歳の73%が毎週教会に出席していたが、2014〜17年には25%まで低下した。
一方、プロテスタントの2014〜17年の教会出席率は45%で、前期間(05〜08年:46%)と比べると1%低下しただけで、1955年(42%)以来の横ばい傾向が続いた。
しかし、人口に占めるプロテスタントの割合は、1955年は71%だったが、2014〜17年には47%と大きく低下した。一方、カトリックは、教会出席率は大きく低下しているものの、人口に占める割合は1955年の24%に対し、2014〜17年も22%と安定を維持している。
大きく上昇したのは「その他」と答えた人と、無宗教と答えた人の割合で、両者とも1955年には1%とまったくの少数派だったにもかからず、2014〜17年には前者が11%、後者は20%まで上昇した。
ギャラップ社は「(キリスト教の)新旧両派にとって厄介な徴候は、若年成人、特に21〜29歳の若者がプロテスタントやカトリックであることを自認する割合が、年長者に比べて低いことである」と説明。「これは、若者が『その他』やキリスト教以外の宗教を選択していることが要因の1つだが、33%という大多数が『無宗教』であることが主な原因である」と指摘している。
一方、世界各国のカトリック教会が行った調査によると、他の国でも教会出席率が急速に低下している。
欧州のプロテスタント福音派系メディア「エバンジェリカル・フォーカス」(英語)は3月、ベルギーにおけるカトリックの教会出席率が1割を切ったと報じた。この急激な低下は、バプテスマ(洗礼)においても同様。カトリックでは通常、両親の信仰に基づき幼児洗礼を授けるが、2017年に洗礼を受けた子どもの割合は50パーセント弱と半数を割った。
ベルギー司教協議会の広報担当者であるヘルト・デ・ケルポ氏はこの結果を受け、かつてカトリックが支配的だった同国で「新しい信じ方」が必要とされていると述べた。
「以前、教会は誰もが自動的に所属するものでしたが、今は意識的に所属することを選ぶように変わってきました。本当に罪の責めを経験した人たちは、自分の子どもにバプテスマを受けさせることに決めますし、教会に所属するように勧めています」とケルペル氏は話している。