【CJC】米南部フロリダ州のマージョリー・ストーンマン・ダグラス高校でこの2月14日、17人が殺害された銃乱射事件を受け、高校生の呼び掛けで銃の規制を強化するよう訴えるデモ「私たちの命のための行進」が24日、首都ワシントンをはじめ各地であった。同年代の悲劇に心を痛めた高校生らが駆け付け、参加者は全米で数十万人に上ったとみられる。
共同通信によると、ワシントンでは人種差別撤廃に取り組んだ黒人公民権運動指導者、故マーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師の9歳の孫娘ヨランダ・リネー・キングさんが「私には夢がある。銃のない世界だ」と演説した。キング牧師が1963年8月のワシントン大行進で「私には夢がある」と人種差別のない日が来ることを願う有名な演説をしてから約55年。特設ステージに登壇したヨランダさんを、デモ参加者たちは喝采で迎えた。
主催者の1人の同校生徒エマ・ゴンザレスさんは壇上で「わずか6分20秒間で17人の命が奪われた。他人任せにせず、あなたたちの命のために闘う」と宣言した。
強い政治力で規制に反対する全米ライフル協会(NRA)に怒りの声を上げる参加者が多く、ワシントンの高校生ダリル・クラインさん(16)は「政治家は若者の命よりNRAからもらうお金が大事なのか」と訴えた。
米CNNテレビによると、ニューヨークで行われたデモ行進には、元ビートルズのポール・マッカートニーさんも参加した。メンバーだった故ジョン・レノンさんが1980年、ニューヨークの自宅近くで射殺されたことに言及。「親友の1人がちょうどこの辺りで、銃犯罪によって殺された。だから自分にとって重要なんだ」と参加の動機を語った。
銃規制強化の転換点にしようと、企画、主催した同校の生徒は米週刊誌「タイム」4月2日号の表紙にも取り上げられるなど、大きな関心を集め、有力ニュースサイト「ハフィントンポスト」は「この20年間で最も強力な銃改革の草の根グループ」と評価している。