こんな時にどうするQ&A 聖書的原則と私の体験(5)
どのようにすれば良い研究ができるか
良い研究を行おうとする場合、まずその成果を明確に定義しておくことが必要である。良い研究とは、結果とプロセスと人材という成果を同時に生み出し得る研究のことである。ただし、3つの成果を同時に生み出すことは、そう簡単なことではない。それ故、特に短期的な研究の場合には、まず結果を出すことを優先すべきであろう。
しかし、中長期的な研究の場合には、必ずしもそうではない。その場合には、たとえ良い結果を生み出し得なかったとしても、そこから次につながるプロセスが生み出されること、また、たとえ良い結果やプロセスが生み出され得なかったとしても、そこから次につながる人材が生み出されることが大切である。プロセスや人材を生み出すこともまた、立派な成果と見なすべきだからである。
以上のことを見据えつつ、キリスト者が良い研究を行うために心掛けるべきことについて述べたい。多くのことを挙げることができるが、それらの全てを実行することは困難と思われるので、ここでは、私が心掛けた優先順位の高い6つのことを、参考までに紹介したい。
(イ)人間は本来労働をするように造られたものである。研究も神が定められた活動であり、人類に対する神の最初の目的にかなうものである。キリスト者はいつもこの目的を覚え、神と交わりつつ、また神に委ねつつ、さらに御霊に導かれつつ、研究を行うことが大切である。
(ロ)キリスト者は、将来に対する心配や不安を抱くことなく、現在の研究に集中できることが大切である。そのために、いつも神から将来のビジョンを頂くこと、また自己の将来に対する、神にある希望を有することが必要である。
(ハ)良い研究を行うことは、人格と密接に結びつくものであることを覚えることが大切である。そのためにキリスト者は、御霊の実である品性を高めること、また心の内に喜びと平安をいつも抱いていることが必要である。ガラテヤ5:22、23に「御霊の実は、愛、喜び、平安、寛容、親切、善意、誠実、柔和、自制です」とある通りである。
(ニ)物質的なことにのみ目を向けず、人の成長にも目を向けることが大切である。良い研究からは、良い人材が生み出されることをも念頭に置きつつ、研究を進めることが大切である。
(ホ)研究の場の内外において、人との良い関係を築くことが大切である。他の人間との協力が、研究活動において大きなウエイトを占める。それ故、良い人間関係によって良い協力関係を築くことは、良い研究には不可欠である。
(ヘ)家庭において、良好な家族関係、夫婦関係を築くことが大切である。特に既婚者の場合、配偶者との良好な関係が良い研究には不可欠である。
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(参考並びに引用資料)
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[5]唄野隆(1995年)『主にあって働くということ』いのちのことば社
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・ミラード・J・エリクソン(2005年)『キリスト教神学』第三巻、伊藤淑美訳
・ヘンリー・シーセン(1961年)『組織神学』島田福安訳、聖書図書刊行会
・ジョージ・S・ヘンドリー(1996年)『聖霊論』一麦出版社
・ウィリアム・ポラード(2003年)『企業の全ては人に始まる』大西央士訳、ダイヤモンド社
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