福島県大熊町の常磐自動車道で4日夜、大型バスと乗用車が正面衝突する事故があった。この事故で、乗用車を運転していた中国籍の女性・秦丹丹さん(33)と、娘の熊田京佳さん(6)が死亡、バスに乗っていた乗員・乗客41人のうち32人が軽いけがを負った。TBSなどが伝えた。
TBSや毎日新聞によると、事故があったのは大熊町下野上の常磐道下り線。常磐富岡インターチェンジ(IC)から北に約2キロの場所で、片側1車線の対面通行区域だった。乗用車がセンターラインをはみ出し、バスに正面から衝突したとみられている。
NHKによると、福岡県広野町在住の奏さんらは、ゴールデンウィークで宮城県の水族館に遊びに行った帰りだったという。一方、同紙によると、バスは首都圏と福島県を結ぶ定期高速バスで、午後4時10分に東京・池袋を出発し、同午後10時10分に福島県相馬市役所に到着する予定だった。
バスには運転手1人と乗客40人が乗っており、全員が病院へ搬送されたが、このうち32人が軽いけがを負った。いずれも命に別条はないという。
一方、事故があった現場は現在、福島第一原発から20キロ圏内の「避難指示区域」の中でも放射線量が比較的高く、立ち入りが制限されている「帰還困難区域」に指定されている場所だという。NHKによると、東日本高速道路は、通常の事故と同様に、ガードレールの外などに避難することに加え、放射性物質がたまりやすい茂みや水たまりなどを避けるよう呼び掛けている。