クリスチャンのシンガーソングライター、ユミコ・ベックがCD「母のうた」を発売したのを記念して、初となるワンマンライブを東京・渋谷のライブハウス多作で23日行った。当日は朝からの雪で来客が心配されたが、40人以上が参加。誰もが共感できる飾らない素直な言葉で歌うユミコ・ベックの歌声に参加者全員が聞き入った。
「母のうた」は今から2年半前の夏、母親が脳内出血で倒れ入院した際に作曲したもの。母親が家族に与え続けてきた愛情を歌っている。現在は回復し元気に暮らしているというベックさんの母親は、いつも自分のことを後回しにし、家族のために仕え続けてきた人だという。
ピアノに憧れ音楽に携わることを願っていたが、青春時代にはその道を行くことがかなわなかった母親の姿を伝え、ベックさんは「私に自分の夢を託して、ピアノを習わせてくれたのでしょう」と母の夢と愛情に育まれた幼少時代について語った。
「私たちの日常はとても忙しくて、ちょっと油断すると、母に限らず大切に思っている人と充分に心を通わせる事のままに、あっと言う間に長い時間が過ぎてしまったりします」とベックさん。「けれど、地上にいる時間は永遠ではありません。目の前の忙しさの向こう側にひっそりと存在している、大切な事柄に目を向けるきっかけになってくれれば、こんなに嬉しい事はありません」と話し、小さく大切なものを「母のうた」を通して感じて欲しいと語った。
ベックさんの次の出演は3月3日。東京都杉並区にある荻窪アルカフェのコンサートに出演する予定。小さく大切なものに目を向けて欲しいと願うベックさんの歌声を聞き、本当に大切なこととは何かと思いを向けるきっかけとなるよう期待する。コンサートは要予約。問い合わせは電話(03・3391・2046)まで。