国民の約8割がカトリック教徒というフィリピンで今冬、「安全上の理由」によって街頭でクリスマスキャロルを歌うことが禁止されるという。同国の交通安全を監督するマニラ首都圏開発庁のバヤニ・フェルナンド長官が9日、ラジオ上で、この禁止令が子どもと運転手を守るためのものであるとと説明し、違反者は検挙するとも警告した。AFP通信が10日伝えた。
同通信によれば、マニラでは毎年クリスマスシーズンになると、スラムの子どもたちが交通量の多い路上で「にわか聖歌隊」を組み、信号待ちの運転手などからお金をせびる。しかし、昨年はそのために子ども1人がトラックにはねられ死亡するなど、危険をはらんでいるという。
フェルナンド長官は、道端でクリスマスキャロルを歌う子どもたちに直接お金を渡すのではなく、慈善団体などに寄付するように呼び掛けた。