日本聖書協会の新しいA5版『聖書 スタディ版』改訂版が、23日に同協会直営のバイブルハウス南青山(東京都港区)に入荷した。この日、同店から予約客への出荷が始まった。同店によると、この聖書は予約が多くて人気だという。
背表紙の帯には「聖書をより深く読みたい方に」と書かれている。また表紙の帯には「改訂版 聖書 スタディ版 わかりやすい解説つき聖書」と記されており、「御言葉はあなたの近くにあり、あなたの口、あなたの心にある」(ローマ10:8)という聖句が引用されている。
裏表紙の帯には「聖書66巻各書についての概説を全面改訂」「本文(新共同訳)は、新共同訳聖書特有の読みをする漢字に振り仮名つき」「『聖書が書かれた時代の生活習慣・社会・地理・歴史』また、『神学上の基本的意味』をわかりやすい言葉で本文近くの欄外に掲載」「他の新共同訳聖書と各節の開始ページをほぼ同じにそろえ、対照しやすい」「116項目のキーワード解説により、理解が深まるよう工夫」「巻末付録は、用語解説・人名索引・聖書歴史年表・地図など」と記されている。
筆者も23日にこの改訂版を入手し、その内容を確かめてみた。日本聖書協会頒布部によると、改訂版は聖書66巻各書についての概説を全面改訂したことが最も大きな変更点であるというが、確かに本文の前にある各書の概説は大きく書き改められている。
そしてその寸法や重さを計ってみた。2006年に出版された大型卓上B5版の『聖書 スタディ版』と比べると、確かに小さく軽くなり、厚さは4.8センチ、重さは1.4キロ。2006年版『聖書 スタディ版』は厚さ5センチと改訂版とほとんど変わらないが、重さは2キロあった。
一方、改訂版と同じA5版の『The Study Bible 新約聖書 スタディ版』は、厚さ2センチ、重さ553グラムである。
この『聖書 スタディ版』改訂版はハードカバーであり、ペーパーバックではない。そしてもちろん、日本聖書協会が「世界最小・最軽量」としているハーフボリューム・バイブル(A7版)ほど小型・軽量ではない。概説などの資料や注解付きであるから、印刷版ではそれはやむをえないだろう。それに、これ以上小さくなったら文字が小さくて読みづらいという人もいるはずだ。
教会などへ持ち運びたいとき時のために、バイブルハウス南青山でこの改訂版と一緒に購入したバイブルケースは、店頭にあるものの中では最も大型のものである。これなら、この改訂版も入れられる。
なお、2006年版『聖書 スタディ版』の元となった米国聖書協会の英語聖書である『The Learning Bible – Contemporary English Version(CEV)』は、カラー写真や色彩豊かな図説や絵、本文に関する設問欄や通読計画表がある。これらは2006年版にも改訂版にもない点である。英語版にはさらに、別売りで子どもの聖書クラスの教師用ガイド『Teacher’s Guide』(米国聖書協会、2001年)まであった。
もっとも、カラー印刷となると制作費用もかかるだろうから、この点については、改訂版と『新共同訳 バイブル・プラス カラー資料』や『アートバイブル』を併用することも考えられるだろう。
それにこの英語版はハードカバー版だと寸法が23.5×17.9×5.6センチで重さが2.1キロあり、2006年版『聖書 スタディ版』とほぼ同じ重さである。その重さはペーパーバック版でもハードカバー版とさほど変わらない。米アマゾンの書評欄には、「この聖書を持ち出した後に重量挙げをする必要はない」と書いている人もいるほどである。
『CEV Learning Bible』は、「Olive Tree」という携帯やパソコン用聖書ソフトを販売している米国の会社から、スマートフォンやPDA用ソフトウェアとしても一時期出ていたが、現在はもう出ていない。『聖書 スタディ版』改訂版よりもさらに小さくて軽いものを求めるとしたら、あとは『CEV Learning Bible』と同じく、スマートフォンなどで利用できるアプリや電子書籍だろうか。この改訂版は、日本聖書協会のウェブサイトにある聖書ソフトウェアには今のところまだないが、アマゾン・ジャパンでは『聖書 スタディ版』改訂版の Kindle 化リクエストを発売前からすでに受け付けている。