東京希望キリスト教会(キリストいやしセンター、尾形守牧師)の開所式が3日、東京・武蔵野市の同教会で行われた。日本民族総福音化運動協議会総裁で宣教師訓練センター所長の奥山実牧師が講演し、「全世界に出て行き、すべての造られた者に、福音を宣べ伝えなさい」(マルコ16:15)との主イエスの大宣教命令を実行し、「初代教会のようになってほしい」と祝福した。牧師や信徒ら約70人が参加した。
奥山師は、使徒の働き5:27〜29を本文に初代教会の姿を伝え、「教会は、でかい小さいは関係ない」とし、「『すべてに福音を伝えなさい』―大事なのは、イエスの命令を実行すること」だと強調した。
大祭司は、使徒たちを問いただす場面で「エルサレム中にあなたがたの教えを『広めてしまい』」(28、新改訳)と言った。ギリシア語の聖書に照らし合わせると、ここで「広める」と訳されている単語は、本来「いっぱいまで満たす」「氾濫させる」(New International Version(NIV)では「you have filled Jerusalem」)という意味を持つ。イエスをキリストだと告白する福音の知らせが、初代教会から洪水のようにあふれでて、エルサレム中にくまなく浸透していた当時の状況を、大祭司が告発している。
京都での牧会時代、自らの教会の大成長に少なからず満足していた奥山師は、この本文をみて深く悔い改めた。そして、イエスの大宣教命令に立ち返った。
初代教会の弟子たちがなぜこれだけ熱心に伝道できたのか。そのすべてが、「人に従うより、神に従うべきです」(29)という使徒ペテロの告白に集約されていると奥山師は強調した。
奥山師は、「『あらゆる国の人々を弟子にしなさい』(マタイ28:19)。これが神の御言葉。しっかりと聖書の土台に立たなければならない」と訴えた。そのうえで、「『イエスを否定せよ』『偶像を礼拝せよ』『伝道をやめよ』この3つの点でクリスチャンは法律を守れない。これを破っても伝道する。だから殉教する。それくらいの確信がないと、世界宣教はやっていけません」と断言した。
最後に奥山師は、エルサレム教会が大迫害を受けたあと、ユダヤとサマリヤに福音を伝えたのは使徒たち以外の一般信徒であったこと(使徒8章)、彼らが建てた教会は、その後立派に成長を遂げたこと(使徒9:31)を強調し、信徒の育成と信徒伝道の重要性を訴えた。