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使徒の働き味読・身読の手引き

使徒の働き味読・身読の手引き(12) 宮村武夫牧師

2013年10月9日15時46分 コラムニスト : 宮村武夫
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宮村武夫牧師+

新しく開かれ
使徒の働き5章33節~6章7節

[1]序

今回は、使徒の働き5章の最後の部分から、新しい章・6章へと読み進めて行きます。

[2]使徒たちの宣教に対する反応と使徒たちの歩み

前回は、使徒の働き5章29節から32節を特に注意し、ペテロたちの大胆な宣教を見てきました。33節以下では、使徒たちの宣教に対する議会の反応とそれに対して使徒たちがどのような歩みをなしたかを描いています。

(1)議会の反応
①議会一般の反応。33節に、「彼らはこれを聞いて怒り狂い、使徒たちを殺そうと計った」とある通り(新改訳欄外の直訳、「(心を)のこぎりで切る」参照)。これは、あなたがたがイエスを十字架で殺害した、との告発のみを聞いて、「悔い改め」への呼びかけや「罪の赦し」の約束に耳を傾けていないため。

②ガマリエルの助言。ガマリエルは、律法学者として人々から深く尊敬され、パウロに厳格な律法教育を授けた人物(使徒22章3節)。

ガマリエルは、チゥダやガリラヤ人ユダの実例を示し、人間から出た計画は、一時どのように盛んに見えても、時間がたつとやがて自滅すること。しかし神の計画は、人間がどれほど逆らっても、必ず実現すると主張します。

この二つの点は正しい面もあります。しかしこれを誤って用いる危険もあります。ガマリエルのことばを引いて、熱心に使命を果たすべき責任を軽んじたり、神のみわざを妨害するものをそのままに放置しないように注意する必要があります。

さらにガマリエルは、主イエスの復活についての証言、悔い改めの呼びかけ、罪の赦しの約束など使徒たちの宣教の中心に全く注意を払っていない点が目立ちます。

(2)使徒たちの歩み
ガマリエルの説得はそれなりの実を結び、使徒たちは自由の身となります。しかし弟子たちはむちで打たれ、主イエスの名によって語ってはならないと厳しい命令を受けます。こうした中で、彼らは、「御名のためにはずかしめられるに値する者とされた」事実を喜んでいます。主イエスご自身が教えた通りです(マタイ5章11、12節)。喜びに満たされ、日常生活の中で福音宣教を続けて行くのです(42節)。

[3]新しく開かれ

使徒の働き5章までの部分は、エムサレムにおける教会の誕生と成長を描いていました。ところが6章1~7節に見る選出された7人の執事の一人・ステパノの裁判に端を発して、「エルサレムの教会に対する激しい迫害が起こり」(8章1節)ます。

その迫害のため散らされた弟子たちを通して、福音が広い範囲に宣べ伝えられて行く様をルカは描いています(6章から9章において、ステパノ、ピリポ、タルソのサウロを通して)。その最初の部分に、6章1~7節が位置しています。

①1節には、人数の増加にともない生じた、やもめに対する配給をめぐる苦情について。

②2節から6節では、弟子たちがこの困難に直面し適切な処置をして行く様。

③そして7節では、新しく開かれる福音宣教の広がりを簡潔に描きます。

(1)困難に直面して
適切な処置
第一のことを第一に
覚悟と実践

(2)新しく開かれ、7節、「こうして神のことばは、ますます広まって行き、エルサレムで、弟子の数が非常にふえて行った。そして、多くの祭司たちが次々に信仰に入った」。

[4]結び

エルサレム教会が一つの段階から次の段階へと進む中で、困難に直面しながら、新しく道が開かれて行く姿に大いに教えられます。

◇

宮村武夫(みやむら・たけお)

1939年東京生まれ。日本クリスチャン・カレッジ、ゴードン神学院、ハーバード大学(新約聖書学)、上智大学神学部修了(組織神学)。現在、日本センド派遣会総主事。

主な著訳書に、編著『存在の喜び―もみの木の十年』真文舎、『申命記 新聖書講解シリーズ旧約4』、『コリント人への手紙 第一 新聖書注解 新約2』、『テサロニケ人への手紙 第一、二 新聖書注解 新約3』、『ガラテヤ人への手紙 新実用聖書注解』以上いのちのことば社、F・F・ブルース『ヘブル人への手紙』聖書図書刊行会、他。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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