【CJC=東京】イエス・キリストのキリストは名字だと思っている人は、米国人でも、それも長年教会に通っている人でも結構多い。「キリスト」は「救い主」を示す称号だということを知らない人たちにも読んでもらうには、全く新しい聖書が必要だ、というので、トーマス・ネルソン社と「エクレシア聖書協会」が発行したのはタイトルから「言葉」ではなく『声(ヴォイス)』だ。2011年11月に新約を先行し、4月に旧約を含めたものが出版された。
現代英語で、しかも「動的等価訳」を採用しており、ギリシャ語、ヘブル語学者、聖書学者、詩人、作家、音楽家、牧師など120人以上が協力している。
米紙『USAトゥデー』によると、「イエス・キリスト」は「イエス、油を注がれたもの」か「解放する王」となっている。他にも「天使」は「メッセンジャー」に、「使徒」は「使者」に変わっている。
訳出に当たったテキサス州ヒューストンのバプテスト大学新約学教授のデービッド・ケイプス氏は、今の読者にはより正確な訳だ、と言う。
7年がかりの作業の末、「新国際訳」や「CEB(共通英語聖書)」の後を追う形で発行となっただけに、特色が際立っている。映画や演劇のようにセリフが中心で、「彼は言った」とか「彼らは言った」という語句は省略されている。
マタイによる福音書14章を見ると
弟子たち「幽霊だ」
他の弟子「幽霊?どうしよう」
イエス「静かに。わたしだ。恐れることはない」
となっている。
「声」の語源はギリシャ語の「ロゴス」。もっとも大衆的とされる「新国際訳」でも「言葉」と訳されている。
ヨハネによる福音書の初めが『声』では、
「時自体が測られる前に、『声』は語っていた。『声』は神であったし今もそうだ」となっている。
編集長兼発行人のフランク・カウチ氏は、こう訳す方が、「ロゴス」の意味を良く捉えている、と言う。
※語句の日本語訳はCJC通信試訳。
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