【ラゴス(ナイジェリア)=ENI・CJC】「繁栄の福音」というものが、アフリカで成長しつつある。
セグン・イロリ氏は2005年、米国永住権を抽選で取得した時は、ラゴスでフォースクエア・ゴスペル教会の清掃にほとんどの時間を使っていた。今では2010年産のトヨタ・カムリを運転し、自動車6台を故郷に送るなど、米国での快適な生活を楽しめるようになった。その幸運を神の恩寵だ、としている。
一方、テディウス・マクワリ氏は、ジンバブエの合同家族国際教会に出席している時に、健康と富につながる信仰の約束を聞いた。しかし苦労して稼いだ金を献金の名目で失ったこと以外に、教会に通う利益は決してなかった、と言う。
多くの教会が、物質的と霊的の双方に信仰の利益があると強調することで成長している中で、イロリ氏とマクワリ氏の例は、霊的リバイバルと幻滅の両面を浮き彫りにする「宗教運動」の異なった側面を表している。
教会など宗教団体は、世界中で、信仰が物質的快適を大きくもたらす、という課題に直面している。アフリカだけでなく、どこでも人々が教会に行く理由は様々だが、神の加護による経済的向上もその一つだ。
住民の大部分が1日1米ドル(約80円)で生活するナイジェリアでは、宗教の現実的な利益を推進する教会は満員だ。
ジンバブエでは、預言者エンマヌエル・マカンディワとかトレバー・マンハンガ監督といった牧師は、贖罪と、霊的なまた物質的富の双方を求める人たちには良く知られている。
マカンディワ氏の合同家庭国際教会は、現地チニョイで使われているショナ語で、普通の人の日常生活に関わる問題に触れることで、多くの人の心をつかんできた。
「2010年に合同家庭国際教会に加入した際、悪霊に悩まされていたが、預言者マカンディワが、わたしと同様の悩みを抱えている人のために説教し、祈った時にすぐに決断し、それで救われた」と語るのはグレイス・ウラヤイさん。同教会の人たちと一緒に祈ることで、自分にも家族にも大きな進展があったと言う。
一方、マクワリ氏は、かつては同じ教会に属していたが、語ることは違っている。
「この教会に通っていたが、苦労して稼いだカネを献金として払い、それも強制されたこともあり、それ以外に役に立ったことは何もなかった」と言う。
ナイジェリアの「救世主キリストの神の教会」のトニー・エグベ牧師は、教会が全ての問題を解決する場所ではなく、「そこに行き、キリストを見出し、キリストが平和をもたらす場所」だと語る。
教会はこのような求めにどう応えるのか。ラゴスのターニング・ポイント教会を主宰するエグベ牧師は、失職し悩んでいる人の例を挙げた。「教会が為すことは、『もしもあなたが神を信じ、その子イエス・キリストを知って彼を受け入れれば、問題はキリストに委ねられる」と保証することだ。神は、時が満ちれば、あなたの問いに応えて何事かをなされる、と言う。
「時が満ちるまで、教会の役割は、一人一人に平和を与え、仕事については、神の約束が果たされる前に、もっと意義のあることに関心を向け指すことだ」とエグベ氏。
米国に移住して以来の成功についてセグン氏は、恵みは信仰と結び付いている、として、「教会と人々に仕えてきた全てを神が償われてくださったと、心から感じている。自分のキャリアと学問に集中している間にも、時間など全てを主に献げる」と、テキサス州ヒューストンからスカイプ電話インタビューで語った。そして自分のキリスト教信仰がこれまでになく強まり、教会での働きも続けている、と付け加えた。
セグン氏は、現在礼拝を守っているヒューストンのレディームド・クリスチャン教会で園芸係長を務め、プレヤー・バンドのメンバーでもある。