グラハム氏によると、中東各国で独裁政権が追放され、反政府デモが高まりを示し、権力基盤の空白状態が続く中、ムスリム同胞団が中東各国にシャリア法を適用しようとする活動を進めているという。
昨年12月から中東各国で独裁政権に対する反政府デモの波が押し寄せ、チュニジアからエジプト、リビア、イエメンと次々と独裁政権が追放され、シリアにもその波が押し寄せ紛争状態となっている。
一方エジプトのムスリム同胞団自由公正党およびチュニジアのイスラム教穏健派の政党がそれぞれの国で最も多くの議席を有している。この事実を受け、グラハム氏は「(イスラム教の勢力の広まりは)脅威であり、米国の治安にとっても脅威です。なぜなら、米国で使用している石油のほとんどは中東から輸入しているからです」と述べている。
さらに懸念されるべきことは、中東に在住している少数派のキリスト教徒であるという。グラハム氏は「中東に在住しているキリスト教徒は、エジプト国内だけでも1,300万人存在するといわれていますが、彼らの生存が危機にさらされています。教会が焼き討ちに遭い、キリスト教徒が殺害されていますが、同国でこのことがあまり表立ったニュースとなっていません」と述べた。
ムバラク政権追放後、6カ月も経過しないうちにイスラム教急進派が24人以上ものキリスト教徒を殺害しており、200人以上を負傷させ、少なくとも3件の教会が焼き払われている。
グラハム氏は中東にある教会の治安について「中東に多くの友人がいます。中東で何年も働いたことがありますし、中東出身の牧師先生とも良く話しています。彼はイラク北部のキリスト教徒を取り巻く状況が非常に危険であることを明かしてくれました」と述べている。
グラハム氏は核兵器を所有しようとしているイランの脅威についても言及し、「イランの脅威は聖書のハルマゲドンの預言を成就する予兆ともなり得えます。イラン政府は核兵器を使用しようとしていることについて既に言及しています。(米政府が)イランの核兵器使用を阻止できなければ、イスラエルがその役割を果たさなければならなくなります。イランがイスラエルに対する武器として核兵器を使用するようになることを恐れています。これは本当に脅威だと信じています」と述べた。