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ワールドミッションレポート

ワールドミッションレポート(2月20日):ナイジェリア 奪われた8年、それでも希望は消えない―レア・シャリブ姉妹のための生存者の祈り

2026年2月20日12時32分 執筆者 : 石野博
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関連タグ:ナイジェリアボコ・ハラム
ワールドミッションレポート(2月20日):ナイジェリア 奪われた8年、それでも希望は消えない―レア・シャリブ姉妹のための生存者の祈り+
ナイジェリア北東部アダマワ州(写真:Aminucrus / CC BY-SA 4.0)

ナイジェリアのキリスト者、レア・シャリブ姉妹が過激派組織ボコ・ハラムに拉致されてから、丸8年が経過する。当時14歳だった彼女は、今や22歳の大人の女性となっているはずだ。

彼女が解放されなかった唯一の理由は、2018年2月19日の誘拐時、テロリストたちの前で「イエス・キリストを否定し、イスラム教に改宗すること」を拒んだからである。あれから2922日。彼女の消息に関する確かな情報は限られているが、レア・シャリブを覚える祈りの輪は決して絶えることがない。

今年、オープン・ドアーズはこの8年目の節目に、一つの希望の証しを伝えている。それは、ナイジェリアのある場所で、3人の若い女性たちが手作りのプラカードを掲げて祈っている姿だ。その紙には、こう書かれている。「神は私たちを自由にしました。神はあなた(レア)も自由にしてくださいます!」「レア、私たちはあなたのために祈っています!」「あなたは決して忘れられていません」

彼女たちが祈る言葉には、特別な重みがある。なぜなら、彼女たち自身が、かつてレアと同じように拉致され、地獄のような日々を生き抜いたサバイバー(生還者)だからだ。

その中の一人、アルヘリ(仮名)は2014年9月、わずか12歳の時にボコ・ハラムに町を襲撃され、拉致された。「町中に銃声が飛び交い、逃げ遅れた者たちは捕まり、あるいは殺されました」

彼女はブッシュ(藪)の奥深くへと連行された。それは単なる草むらではなく、広大なサンビサの森で、組織の拠点(キャンプ)がこの深い森の中にある。そこに一度連れ込まれると空からの捜索も困難で、自力での脱出がほぼ不可能な無法地帯だ。そこでアルヘリを待っていたのは、戦闘員との強制結婚という悪夢だった。

6年間にわたる監禁生活の中で、彼女は絶え間ない性的暴行と暴力にさらされ、2度の流産を経験した。キリスト教徒である彼女への扱いは特に厳しいものだったが「イスラム教を受け入れなければ殺す」と銃で脅される日々が続いた。しかし、彼女はレアと同じように信仰を棄てることを拒み続けたという。

「神様、どうか私をこの邪悪な人たちと共に置き去りにしないでください。私をここから連れ出してください」。そう祈り続けたある日、奇跡が起きた。彼女たちはロバの鳴き声を頼りにブッシュを逃げ出し、フラニ族の人々に道を尋ねながら、ついに自由の地へと生還したのだ。

しかし、帰還した彼女を待っていたのは、ハッピーエンドばかりではなかった。最愛の母は、娘が誘拐されたショックによる心臓発作で既に亡くなっていた。さらに、コミュニティーの一部からは「ボコ・ハラムの花嫁」と蔑まれ、侮辱されるという二次被害にも苦しめられたのだ。

そのような数奇な歩みを経て、アルヘリは今、自分を救い出した神が、必ずレアも救い出してくださると信じ、祈りの戦士として立っている。「私を救った神は、彼女をもあのブッシュから救い出してくださるはずです。神様が彼女の苦しみを取り去り、家に帰してくださいますように」

今日でも、世界中の多くのキリスト者が心を一つにしてレアのために祈っている。8年間、信仰の故に自由を奪われているレアの上に、主の超自然的な守りと慰めがあるように祈ろう。彼女の帰りを待ちわびる両親の心が、神の平安で支えられるように。そして、レアが再び家族のもとへ帰る日が、一日も早く訪れるように祈っていただきたい。

以下は、事件発生当時の概要である。

レア姉妹は、2018年2月19日、ナイジェリア北部ヨベ州にある科学技術学校から、110人の女生徒と共に誘拐され、信仰の放棄を拒み、ただ一人解放されなかったキリスト者の少女だ。

誘拐された少女たちのうち5人は、移動中のトラックの車中で死亡してしまった。当時から、ボコ・ハラムによる学生誘拐事件は国際世論の非難の的となっており、ナイジェリア政府や国際世論の強い圧力もあったため、誘拐から1カ月後の3月21日、ボコ・ハラムのトラック搬送中に既に亡くなっていた5人を除く104人の少女たちが解放された。

ところが、キリスト教徒のレアは、自身の信仰を棄ててムスリムに改宗することを拒んだため、彼女一人だけ解放されずに取り残されてしまったのである。

解放された学友によると、全員が解放されたあの日、レアも全ての少女と一緒に解放されるはずだったという。ところがボコ・ハラムは、レアがトラックに乗る直前、レアにイスラムへの改宗を求めて、幾つかの儀式的な改宗宣言をするよう彼女に要求した。しかしレアは「私はイスラム教徒ではないので、決してそれは言えません」と拒んだ。

彼らは怒って「お前がキリストを冒瀆(ぼうとく)しないなら、われわれと共に残ってもらおう!」と脅したが、なおも彼女はその要求を拒否したのだ。他の学友らも(おそらくは一時的なフリをするだけでも)レアに改宗するよう説得したが、このわずか14歳の少女は、決して主の御名を否むことはしなかったのである。

ナイジェリアに住むレアは、ボコ・ハラムがどれほど恐ろしい組織であるのか、もちろん身近に知っていたにもかかわらずだ。自分だけが解放されないことを悟ると、レアは急いで母親への手紙を書き、それを解放される友人の手に託した。

「お母さん、どうか私のことで心配しないでください。お母さんは、私がいなくなってとてもつらい思いをしていると思うけど、どこにいても私はきっと大丈夫だと伝えたくて、急いでこの手紙を書きました。私の神様は、このような試みの中でもずっとご自身を現してくださっています。お母さんが朝のディボーションで『神様は苦しんでいる人々により近く寄り添ってくださる』と教えてくれた言葉の通りです。私は今、それが真実だと証明することができます。いつの日にか、きっとお母さんに再会できると信じています。私は今お母さんのそばにいなくても、主なるイエス・キリストの内にいます」

学友らは、走り出すトラックから、一人取り残されたレアを見つめ、彼女が見えなくなるまで、いつまでも泣きながら手を振っていたという。

■ ナイジェリアの宗教人口
イスラム 45・1%
プロテスタント 37・1%
カトリック 12・1%
土着の宗教 3・3%

◇

石野博

石野博

(いしの・ひろし)

2001年より、浜松の日系ブラジル人教会で日本人開拓、巡回伝道者として従事。12年より、奥山実牧師のもと宣教師訓練センター(MTC)に従事、23年10月より、浜松グッドニュースカフェMJH牧会者として従事。18年3月より、奥山実牧師監修のもと「世界宣教祈祷課題」の執筆者として奉仕。23年10月より「世界宣教祈祷課題」を「ワールドミッションレポート」として引き継ぎ、執筆を継続している。

※ この記事は、石野博牧師の「ワールドミッションレポート」を、若干の編集を加えた上で転載したものです。
関連タグ:ナイジェリアボコ・ハラム
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