日本のゴスペル音楽界から総勢650人が参加する映画「雨ニモマケズ」が、2025年の公開を目指して製作されている。
「雨ニモマケズ」は、日本のゴスペル音楽界を牽引してきた音楽家の遺言で開かれたメモリアルパーティーに集まった人々の悲喜こもごもの人生を描く作品。MARISAやサルーキ=らクリスチャンアーティストのほか、日本のゴスペル音楽界の礎を築いたレジェンドとして知られる淡野保昌、全国ゴスペルコンテスト「ゴスペル甲子園」のクワイア部門で2013年に最優秀賞を受賞した「Milk&Honey」など、多数のアーティスト、クワイアが参加する。
「雨ニモマケズ」を製作するガチンコ・フィルムはこれまでにも、「GOSPEL」「歌と羊と羊飼い」「戸越銀座アメイジングス」など、ゴスペル音楽に関わる作品を世に送り出してきた。しかし、これらの作品はあくまでも、ドキュメンタリー映画やエンターテイメント映画の範疇(はんちゅう)の中でゴスペル音楽を扱った作品だったという。
これに対し「雨ニモマケズ」は、ゴスペル音楽がストーリーや登場人物の内面に強く影響を与える作品。ガチンコ・フィルムは「日本初の本格的ゴスペル音楽映画」と打ち出し、「本作では『今の』日本のゴスペルを捉え、その先にあるゴスペルを提示しています。ただ楽しく歌う、宗教とのはざまで悩み歌う、日々の苦しみや悲しみを歌う、ゴスペルにある人々の思いを描いた映画です」としている。
ネットフリックスの「呪怨:呪いの家」シリーズやNHKの連続テレビ小説「ちむどんどん」などに出演経験のある安野澄ら、総勢21人の俳優が出演する。
監督は、これまで2つの映画の製作・プロデュースに関わり、昨年、自身初の監督作「MOON and GOLDFISH」を公開した飯塚冬酒。「十数年間、ゴスペルに携わりゴスペル音楽を愛する方々と出会ってきました。ゴスペルを通じて救われる人、悩む人、そんな人々に観ていただきたい映画です」とし、「笑顔の後ろの哀しみや思い、それを隠せたり隠せなかったり、そんな不器用な人々の物語です」と話している。