日本キリスト教協議会(=NCC、東京都新宿区)は16日、先月行われた大統領選挙で勝利したバラク・オバマ米次期大統領の当選を歓迎する書簡を、同協議会のウェブサイト上で発表した。NCCのほか、アジア・キリスト教協議会、韓国キリスト教協議会、カナダ・キリスト教協議会、南インド教会、カトリック正義と平和協議会など19団体の連名で出された書簡では、オバマ次期大統領が訴える「改革(チェンジ)」が「米国民だけでなく、全人類が待ち望むもの」だとし、次期大統領の今後の手腕に期待を示した。
一方書簡では、ブッシュ現政権に対しては、同政権が進めるアジア太平洋地域における米軍再編が平和と安全を脅かすものだとして非難。オバマ次期大統領に対して、現在進行中の再編を再検討するよう強く求めた。
NCCはこのほか、▽「米日同盟:未来への変革と再編」に基づく日本との軍事取決めの根本的見直しと廃棄。それに基づいて行われている基地強化、再編措置の凍結。日米関係を現行安保にかわるあらたな非軍事的日米取り決めに向けなおすこと、▽沖縄における新たな基地拡張計画の見直し中止すること。沖縄における米軍の存在の見直しと米軍の引き上げ、▽グアムにおける新たな米軍基地建設計画の撤回、▽憲法9条改変への日本への要求や圧力の中止。東北アジアの安全保障を、米軍の引き上げと日本非武装の条件で地域の多国間とりきめによって行う政策の選択、▽その第一歩として、東北アジア非核地帯構想の積極的推進、の5つの項目を要請した。
書簡は「諸宗教のネットワーク」のものとして出され、連名団体にはキリスト教の団体のほか、他宗教の団体も含まれた。