英国のウィリアム王子は5月22日、スコットランド国教会の総会で演説し、コロナ禍において教会が必要不可欠な避けどころとなっていると語り、その重要性を伝えた。ウィリアム王子はまた、母である故ダイアナ妃亡き後の人生においても、教会が自身に安らぎを与えてくれる場になったと語った。
「過去1年間の信じ難いほど困難なコロナ禍にあって、スコットランドをはじめとする世界各地の多くの人々にとって、教会が必要不可欠な避けどころとなっていることを私は認識しています」
また、ダイアナ妃の死を知った日に、スコットランドにある英王室の別荘として使われているバルモラル城近くの教会に集っていたことが心の支えになったとも語った。
「母が亡くなったと聞かされたとき、私はバルモラルにいました。私はまだショックを受けていましたが、クラシー教会でその日の朝に行われた礼拝に安らぎを見いだしました。その後の暗い悲しみの日々の中では、スコットランドの大自然の中に安らぎと癒やしを見いだしました。ですから、私が感じているスコットランドとの絆は今後もずっと深まっていくでしょう」
母の死は「つらい思い出」であったが、ウィリアム王子はこの日、「大きな喜び」をもたらしたスコットランドでの思い出についても話した。それは20年前、スコットランドのセントアンドリューズ大学在学中に、当時学生で後に妻となるキャサリン・ミドルトンさんと出会ったことだ。
「言うまでもありませんが、未来の妻と出会った町は特別な場所です。ジョージ、シャーロット、ルイの3人は、スコットランドが私たちにとってとても大切な場所であることを知っていますし、彼らもここで幸せな思い出を作り始めています」
ウィリアム王子はエリザベス女王の代行で、勅使としてスコットランド国教会の総会に出席した。スコットランドには夫妻で1週間の日程で滞在し、環境問題やメンタルヘルス、ホームレス、依存症などの問題に取り組む慈善団体や組織との会合も計画していたことから、演説では次のように語った。
「長く続いた不確実性と混乱の時代から抜け出そうとしている今、私は今週、スコットランドのさまざまな職業、さまざまな伝統、あらゆる宗教や無宗教の人々の話に謙虚に、また思いやりを持って耳を傾ける機会を得られることに感謝しています。箴言19章20節を指針とするよう勧められています。『勧めに聞き従い、諭しを受け入れよ。将来、知恵を得ることのできるように』。イエスご自身はさらに簡潔に言っています。『耳のある者は聞きなさい』と。今週の総会では、これらの問題やその他の多くの問題が皆さんの議題となると思います。閉会式で皆さんの結論を聞き、私自身の考察を述べることを楽しみにしています」