東日本大震災発生直後から毎月、被災地のために祈り続けてきた「第84回東日本大震災復興支援超教派一致祈祷会」が、震災から丸7年となった11日、ウェスレアン・ホーリネス教団淀橋教会(東京都新宿区)で行われ、教派を超えて教職や信徒ら約100人が被災地の復興のために祈りをささげた。
震災直後から被災地を取材してきたキリスト教メディア「日本CGNTV」の金昌鎬(キム・チャンホ)局長が現地報告を行い、災害報道におけるキリスト教メディアの役割について、「被災地で一番多く聞いたのは『私たちを忘れないでください』という言葉だった。ただ資料としてだけではなく、被災された方々の悲しみや回復していくときの喜び、慰め、それらをも含めて記録していきたい」と語った。
プロテスタント宣教150周年記念大会(2009年)の共同実行委員長らに呼び掛け、震災直後の11年4月11日に第1回を開催して以来、毎月11日に絶やすことなく祈祷会を開催してきた淀橋教会主管牧師の峯野龍弘氏は、「とうとう7年という歳月が過ぎた」とあいさつ。「目に見えるところにおいても、復興したとはおよそ言い得ない現実がある。それ以上に心の復興においては、ある方にとっては前よりもっと大きな悲しみの中にあるという現実がある。祈りの祭壇の火はともし続けなければならないという思いを新たにさせられている」と語った。
金氏は、ローマの信徒への手紙12章15節を引用し、「喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣くとは、共感するということ」と説き、「共感する心が必要ではないか。共に喜び、共に泣く者がキリストの愛を伝える者。この愛をもって災害に遭った方に寄り添っていきたい」と述べた。
また、「クリスチャンには社会的責任がある。福音を伝えるといいながら、言葉だけで行動が伴っていないなら、私たちの福音には大きな穴が開いている」と指摘した上で、「しかし、福音には穴というものがない。私たちが仕えることを通して、イエス・キリストの愛を私たちの体をもって直接伝え、被災された方たちが回復していくことを願っている」と語った。
参加者たちは現地報告の後、復興住宅や帰宅困難区域の問題、東京電力福島第1原発事故への対応など、被災地の具体的な課題を一つ一つ取り上げ、共に祈りをささげた。