手足のない「五体不満足」のキリスト教伝道者として知られるニック・ブイチチさん(34)の伝道チームが最近、ウクライナで伝道集会を開催し、40万人近くが罪を悔い改めてイエス・キリストに従う決心をした。
「『Life Without Limbs(手足のない人生)』(ブイチチさんの伝道団体)は、私たちのチームとして最も大きい集会、そしておそらく欧州においても過去最大となる集会を開催しました。何とウクライナの首都キエフに80万人が集ったのです! そして40万人が罪を悔い改め、イエスとの霊的な旅路を始めました」。ブイチチさんは17日、自身のフェイスブックでこう明かした。
非常に珍しい先天性の病気「テトラ・アメリア症候群」(先天性四肢切断症)のため、手足がない状態で生まれたブイチチさんは、これまで世界各国を訪れ、宣教活動を通して何百万人もの人々に影響を与えてきた。
今回、ロシアにも40時間余り滞在したというブイチチさんは、フェイスブックに次のように記した。「残念ながら、今回の旅ではウラジミール・プーチン大統領に会うことはできませんでした。けれども私たちは、何か思いがけないドアが開かれて神に感謝できるまで、このロシアに愛と希望の種をまき続けていきます」
世界の宣教情報を伝える「ミッション・ネットワーク・ニュース」(MNN、英語)によると、キエフでは9月にも、宗教改革500周年を記念する集会が開かれ、50万人を超えるキリスト教徒が集まった。旧ソビエト圏で宣教活動を行う「ミッション・ユーラシア」のセルゲイ・ラクーバ会長は当時、MNNに次のように語っていた。
「(参加者は)キエフや周辺地域のすべての教会から教派を超えて、50万人以上が参加したと言っていました。この祝典に参加するため、礼拝する自由を、また彼らの国で福音を伝えられる自由を神に感謝するため、そして真実なる神を祝うためだけに、キエフ周辺の4州すべてから多くの人が集まりました」
「彼らはキエフの町の真ん中で神をほめたたえています。数年前、人々が自由を求めて抗議の声を上げたのもこの場所でした。さらに言えば、何年も前に、共産主義者たちが社会主義、無神論、共産主義、そして他のさまざまな『主義』を叫んだのもこの場所だったのです」
ブイチチさんは昨年もウクライナや他の東欧諸国を訪れている。スロベニアでは学生たちにスピーチし、ボルト・パホル大統領とも面会。「とても勇気を与えられる機会で、有意義な時間でした」などと語っていた。
スロベニア移民の両親を持つブイチチさんはオーストラリアで生まれた。自身の障がいのためにひどいいじめに遭い、8歳の時には真剣に自殺を考えたこともあったという。しかし、神に深く根差した信仰によってこの障がいが祝福に変わった。17歳で「Life Without Limbs」を立ち上げ、現在は世界を股に掛けるモチベーショナル・スピーカー、キリスト教伝道者として活躍している。邦訳書も幾つか出版されており、今年8月には新刊『神さまに教えてもらった負けない心のつくり方』(アチーブメント出版)が発売されている。