こんな時にどうするQ&A 聖書的原則と私の体験(9)
不平等感、不当な思いは罪なのか
他者と比較して、自分が平等に扱われていないという思いや、不当に扱われているという思いは、どこから来るのだろうか。また、それらをキリスト者はどのように考え、それらとどう向き合えばよいのであろうか。
誰が見ても、またどう考えても不平等であり、不当に扱われていることは明らかというケースは確かにある。そのような場合には、それを正すことは必要であるし、またそれは是正されなければならないとも思う。しかし多くの場合、時間はかかるとしても、それらは是正されていくように思われる。
キリスト者はまず、自分が平等に扱われていないことや、また不当に扱われていることは、他者がその利益を受けているということを認識し、それを甘んじて受け入れることが必要であるように思われる。Ⅰコリント10:24に「だれでも、自分の利益を求めないで、他人の利益を心がけなさい」とあるからである。
そしてまたキリスト者は、自分が平等に扱われていないという思い、また不当に扱われているという思いが多くの場合、自分を中心に物事を判断するという自己中心性や虚栄などの罪の思いから生じており、相手の立場に立って物事を見ることができなくなっているということに注意する必要がある。ピリピ2:3に「何事でも自己中心や虚栄からすることなく、へりくだって、互いに人を自分よりもすぐれた者と思いなさい」とあるからである。
冷静にまた客観的に見れば、必ずしも不平等や、また不当に扱われていないことは明らかであるにもかかわらず、感情的となり、自己中心的な思いのみによって自分の状況を判断するとき、私たちは被害者意識に陥りやすく、不平等感や不当な思いなどにとらわれ、思い煩うようになることを認識すべきである。
従って、不平等感や不当な思いなどが自己の内に湧き上がったときには、まず自己の判断から離れて、第三者による客観的な判断や意見を求め、それらを参考にすることが望ましい。またより根本的には、自分の思いが神から離れているということを認識し、自己の目線で見ることから神の目線で見るように視点を変え、そのような視点から不平等感や不当な思いなどを見つめ直すとともに、とらわれている思い煩いを神に委ね、それから解放されることが必要である。Ⅰペテロ5:7に「あなたがたの思い煩いを、いっさい神にゆだねなさい。神があなたがたのことを心配してくださるからです」とある通りである。
さらに不平等感や不当な思いなどを持つときには、気持ちがネガティブになっていることが多いと思われるため、神は最善をなしてくださるお方であり、必ず困難を益に変えてくださり、そのような状態から脱出させてくださるはずであるとの、神への信頼を取り戻すことも必要と思われる。
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(参考並びに引用資料)
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