これまで6回にわたり、「人が無価値と思うものを、多くの人々の益のために用いる神」について、「5つのパンと2匹の魚の物語」(マタイ14:13~21)から学んできました。
この物語から、これまで学んで参りましたことを箇条書きに要約します。
- 私たち人間は合理的に物事を考え計画するが、神の計画は必ずしも合理的であるとは言えない。
- 私たちが役に立たないと思うものを、神は用いられることがある。
- 私たちはとかく自分中心、職場中心に物事を考えがちだが、神は周囲の人々を潤すことをも含めて物事を計画される。
- 神が語られたことは、人との関わりの中で、神の言葉の通りに、神が実現される。
- 私たちが手に負えないものを神に持っていく手段は、祈りである。
- 神の計画は私たちの考えを超えているので、自分の知恵を過信してはならない。
- 「神の祝福」は今も続いている。
- 神は私たちが想像もしない仕事を提供される。
- 神の恵みの豊かさによって、私たちの想像を超えた結果や成果が現されることがある。
- 神はご自身の栄光のために自らの計画を実現される。
5つのパンと2匹の魚の物語は、弟子たちが想像もしなかった出来事が、次々と彼らの身近に起こった実話です。人の考えることと神の考えることとの、かけ離れるほどの違いが明らかにされています。また、人の考え判断した結果と、神が考え実現に至らせる結果の違いも明らかにされています。
だからこそ、私たちは問い直してみたいと思います。
私たちは、自分たちの仕事、地域での自分たちのさまざまな活動などを、自分たちで考え、自分たちの能力や状態、経済性や環境を考慮し、自分たちで進めていこうとしています。
けれども、人間の考えや能力を超えた神のご計画が、弟子たちのすぐそばにあったように、現代の私たちのそばにもあります。そして、上に掲げたようなことが、あなたのそばでも起こり得るのです。
自分の職場や地域での新たな取り組み、あるいはこれから就職をしようと考える私たちにとって、神が関わってくださることは、難しいことでも無理なことでもありません。
自分で考え決断する前に、神の前に身と心を低くすることです。「神様、あなたは私たちが考える以上のことをご計画されていると聞いています。今の私には分かりませんが、私を導いてください」と、ぜひ祈ってみてください。
「まことに、あなたがたに告げます。子どものように神の国を受け入れる者でなければ、決してそこに、入ることはできません」(ルカ18:17)
「神の国は、この子供たちのように、素直に信じる心を持っている人たちのものなのです」(リビングバイブルより)
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森正行(もり・まさゆき)
1961年兵庫県西宮市出身。建設専門学校卒。不動産会社、構造建築事務所にて土木・建築構造設計部門を5年間勤務。1985年受洗。関西聖書神学校卒。岡山・岡南教会にて伝道師・副牧師3年間奉仕。1995年より現在、日本イエス・キリスト教団宮崎希望教会牧師。