アーサー・S・デモス財団(本部:米フロリダ州)によって、世界17カ国で無料配布されているノンクリスチャン向けの伝道小冊子「パワー・フォー・リビング(以下PFL)」が、伝道活動のために全国各地の教会で積極的に活用されている。同冊子には聖書の内容がわかりやすく簡潔に提示されており、新生宣教団(埼玉県)にメールやファックス等で注文すれば無料で、しかも大量に入手することができる。そのため、PFLを宣教現場で利用する教会や宣教団体が最近急増しているという。
PFLジャパンの責任者として同冊子の受注の受付等を担当していた尾山謙仁師(ファミリーネットワーク日本代表)の話によると、教会や宣教団体などキリスト教関係者からの一括注文を解禁した2月半ばから、受注数が急増したという。3月下旬には発行部数100万部を突破し、4月17日の時点では現在印刷中のものも合わせて200万部を超える勢いを見せている。
特に、復活祭を前にした3月末には全国各地の教会から大量の注文を受けたと尾山師は語る。復活祭の集まりには、普段は教会に来ない未信者たちも多数参加するとあって、新来者たちに聖書を紹介するための「ガイドブック」としてPFLを活用しようとする試みがあちこちで見られた。
147ページからなるパワー・フォー・リビングは全7章から構成されており、8人の有名人の信仰の証しから始まり、キャンパス・クルセードの聖書を解き明かすための「4つの法則」に基づいて、たとえ話や証し、聖句を引用して御言葉を説いている。また、後半ではクリスチャンとしての生き方をわかりやすく解説している。PFLについて尾山師は、「聖書の内容を直接的に伝えており、優れた伝道書籍だと思います。また、活字離れしている日本人にとっても興味を持たせる、大変よくできた書籍だと思います」とコメントしており、同冊子を絶賛している。
PFLを実際の宣教現場で用いた例が今までに数多く報告されている。クリスチャン達からは、「教会に新しく来た方々に配布しました」、「路傍伝道で60冊配布させていただきました。そのとき通行人の中で8名ほどの人が既に持っていると話していました」、「葬儀が教会で行われるのでそのときに配布したいと思います」、「自分の信仰を省みるのにとても良いテキストだと喜んでいます」といった証しが届けられている。さらには、「エホバの証人とその家族を救出するためのセミナーで用いたい」といった声も寄せられた。
一方、ノンクリスチャンたちからも多数の証しが届けられており、「読んでとてもさわやかになり、イエス・キリストにある新しい命に生きるすばらしさを感謝します」、「まだ神さまのことはよく理解できませんが、いま教会へ行って少しづつ習っているところです。パワー・フォー・リビングは分かりやすく、読みやすく、大変勉強となりました。繰り返し読んでいきます」、「生きる力を与えてくださる神さまのお言葉をお送りくださりありがとうございます。83歳の者です。感謝いたします」、「これほどに大掛かりな福音伝道ははじめて見ました。日本という国は偶像に満ちています。私もささやかながら祈らせてください」などの声が聞かれた。一方、これらの証しは新生宣教団のホームページにて自由に閲覧が可能だ。
キャンペーンの開始当初はノンクリスチャンを伝道対象とし、一般人からの受注だけを受け付けていたために発行部数が伸び悩んだ。しかし、教会などキリスト教関係者からの一括注文が可能になった今、PFLは全国各地の教会で伝道の道具として頻繁に活用されるようになり、一躍日本の福音化を促進させる原動力へと変わった。
尾山師によると、現在はイースターを過ぎて若干一段落したが、注文は相変わらず全国各地から寄せられているという。アーサー・S・デモス財団が日本に持ち込んだ「パワー・フォー・リビング」という小冊子を日本宣教に今後どのように活用していくか、それが今後の課題になると尾山師は指摘している。