【CJC=東京】アイルランド政府調査委員会が、カトリック教会聖職者の性的虐待問題調査の一環で、バチカン(ローマ教皇庁)に、ダブリン大司教区から2006年に送った報告の詳細を明らかにするよう求めたにも関わらず、バチカンはそれに答えず、逆にアイルランド外務省に「要請は正当な外交経路を通じたものではない」と伝えていたことが英公営BBC放送の報道で分かった。
11月26日に発表されたダブリン大司教区問題調査委員会報告は、1975年から2004年までを対象にしている。委員会は、政府から独立しており、情報を得るために外交経路を利用することは適当でないと見なしていた、と言う。
2007年2月、委員会は駐アイルランド教皇使節に、所持している関連記録を全て提出するよう、またそのような記録を保持しているか確認を求めたが、使節からの回答はなかった。09年に入って、委員会は使節とその事務所に関係のある事項をまとめた報告書を送り、回答を求めたが、それにも回答はなかった。
バチカンは現地紙アイリッシュ・タイムズに「現地教会の問題だ」と述べた。バチカンの報道担当者は、バチカンの統治に関する外部からの要請は外交経路、今回の例ではアイルランド外務省と駐バチカン大使館を通じるのが取り扱い方法だと語った。