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本当にイスラエルは悪者なのか 穂森幸一

2026年4月16日21時34分 コラムニスト : 穂森幸一
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関連タグ:穂森幸一

わたしがまた、わたしの霊をあなたがたのうちに入れると、あなたがたは生き返る。わたしは、あなたがたをあなたがたの地に住みつかせる。このとき、あなたがたは、主であるわたしがこれを語り、これを成し遂げたことを知ろう。──主の御告げ──(エゼキエル37:14)

日本だけでなく欧米のメディアにも見られる傾向なのですが、反ユダヤ主義やユダヤ陰謀論などが書かれていることがあります。イスラエルの主張は無視され、真実ではないことが誇張されることがあるように感じるのは私だけでしょうか。ネタニヤフ政権は好戦的であり、戦争継続を狙っているというような書き出しも少なくありません。

AD70年に壊滅されたイスラエルは2千年の間、自分たちの国家を持つことなく、世界各地をさまよう流浪の民になっていました。エゼキエル書37章に預言されたように、1948年に聖書で示された地に建国しました。周りを反ユダヤのアラブの国々に囲まれ、中東戦争を4回も繰り返すという苦難の歩みでした。

1979年にイランに革命が起こり、イスラム共和国が誕生しました。イランはアラブ人ではなく、ペルシャ人の国家ですが、バビロニアを滅ぼし、捕囚のユダヤ人を解放したクロス王の時代からユダヤ人を好意的に受け入れていました。今日でもユダヤ人居住地が残っています。しかし、革命政権は国家目標としてイスラエル国家を消滅させるということを掲げました。47年間、徹底して反イスラエルを貫いてきました。

イスラエルを攻めるために、ガザにハマス、イエメンにフーシ派、レバノンにヒズボラという代理勢力を置きました。莫大(ばくだい)な支援金やさまざまな武器を送り込み、イスラエルを攻撃させたのです。イラン本土からイスラエルを攻撃するためにミサイル開発を進めました。常時数千発のミサイルを備え、度々打ち込んで都市を破壊し、市民を殺害してきました。また、代理勢力にもミサイルを供与し、攻撃を強めていました。

イランの革命政権は、イスラエルを完全に消滅するためには核兵器が必要だということで、地下の数カ所に濃縮ウラン工場を設置していました。核兵器製造をやめるように米国や国際機関からの勧告があり、国際的な経済制裁も行われていました。交渉するときには製造を中止したとうそをつき、決して開発をやめることはありませんでした。

米国とイスラエルが協力して、山中にあるウラン濃縮工場の一つを地下貫通爆弾で攻撃しましたが、開発の手を緩めることはありませんでした。そして、いよいよ原爆の完成まで2週間という事態になったのです。この時は、7発完成予定だったそうです。ミサイルに積んで2発打ち込めば、イスラエルを消滅できるという事態になったのです。

イスラエルには、モサドというレベルの高いスパイ組織がありますが、ここに入隊する人は、祖国を守るために命をささげる決心をします。命懸けでもたらされた情報はとても精度が高いそうです。核ミサイル発射を宣言できる最高指導者の位置情報が、側近として潜り込んでいたモサドによってもたらされたとき、米国とイスラエルは共同で攻撃に向かったのです。もちろんモサドも標的になり、命を落としました。

イランを支配しているのは革命防衛隊ですが、主要産業とミサイルを牛耳る軍産複合体です。総人口が9千万人近くあるのに、20万人しかいない私設部隊が、イラン政府や国軍を牛耳る強い力を持っています。一般市民の3倍という給料をもらい、特権意識を持ち、幾つかの派閥に分れているため、停戦交渉も難しいのです。

ヒズボラなどの代理勢力には数兆円という軍資金を送るのに、一般市民は貧困にあえぎ、飢えに苦しんでいる状態です。市民がデモに立ち上がったときは、ちゅうちょすることなく発砲し、1万人を超える犠牲者が出たともいわれます。それに対して、平然と「彼らは殉教者だ」などとうそぶくのです。

イランの国内には、迫害下のユダヤ教徒やクリスチャンもいます。自由を求めるイスラム教徒もいます。貧しさに耐え、ぎりぎりの生活を送りながら平和を待ち望んでいる一般市民の声は、外には届かないのです。

トランプ政権がベネズエラでの攻撃に続き、イランでも軍事行動に出たことで、なぜ攻撃的なのか、どこまで戦域を広げるのか理解できない、認知症が入っているのではないか、などとやゆする人もいます。

しかし、よく見ていると、分かってくることがあります。トランプ政権の狙いは、中国を潰したいのだということです。あれほど関税に躍起になっていたのは、中国製品を止めることが主な目的でした。中国製レーダーとミサイルの無力化、中国への原油の積み出しの制限ができれば、それで十分だったのです。今回の出来事を見て、中東やアフリカ諸国の中に、中国製武器をキャンセルする動きが出ています。

中国はイランなどと協力して新たな経済圏をつくり、ドルを基軸通貨とするのではなく、中国元での国際決済をもくろんでいました。中国はイランとベネズエラの安い石油を輸入して安価な工業製品を生み出し、ダンピングも行っていましたので、トランプ政権は中国への不法な原油輸出をやめさせることを狙っていました。

日本政府は十分な原油備蓄をしているのに、「大変だ」と騒ぎ立てるマスコミにあおられてガソリン価格などが高騰し、その隙に大もうけする輩が出てくるのが、この世界の仕組みです。昨日も今日も明日も変わらないキリスト(ヘブル13:8)を信じ、聖書の立場で落ち着いて社会を見ていくと、見えないところが見えてくるようになります。

あなたがたは心を騒がしてはなりません。神を信じ、またわたしを信じなさい。(ヨハネ14:1)

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※ 本コラムでは、特に断りのない限り、聖書の引用は新改訳(第3版)を使用しています。

◇

穂森幸一

穂森幸一

(ほもり・こういち)

1973年、大阪聖書学院卒業。75年から96年まで鹿児島キリストの教会牧師。88年から鹿児島県内のホテル、結婚式場でチャペル結婚式の司式に従事する。2007年、株式会社カナルファを設立。09年には鹿児島県知事より、「花と音楽に包まれて故人を送り出すキリスト教葬儀の企画、施工」というテーマにより経営革新計画の承認を受ける。著書に『備えてくださる神さま』(1975年、いのちのことば社)、『よりよい夫婦関係を築くために―聖書に学ぶ結婚カウンセリング』(2002年、イーグレープ)。

株式会社カナルファホームページ
穂森幸一牧師のFacebook

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
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