神における愛と、人間における愛
神の愛の包括的な姿は、ヘブライ語のアハバー(Ahabah、H160)という言葉によって、その基本的な原理と側面から理解することができます。
アハバーは、2つの側面によって表現されます。1つは火のような感情的側面(情的・関係的側面)であり、もう1つは思慮深い側面(心と思い、すなわち意志に基づく側面)であり、 ヘブライ語ではこれをチャサク(Chasaq)と呼びます。
このチャサク、すなわち神の愛の思慮深く選択的な側面は、しばしば意志的愛(volitional love)と呼ばれます。
従って、アハバー(神の愛)には、
- 感情的(関係的)愛
- 意志的(コミットメントの)愛
の両方が含まれているのです。
感情的(関係的)愛は、次のような形で現れます。
- フィリア(philia)
- フィレオー(phileō)
- フィロス(philos)
- キナー(Qinah:熱情・熱心)
- ドード(Dod)
これらは、関係性の中で燃え上がる情的な愛の表現です。
一方、神の意志的愛、すなわちチャサクは、ギリシャ語ではアガペー(Agape)と呼ばれます。このアガペーは、思い(mind)と意志(will)から生じる愛であり、コミットメントとしての愛を意味します。
雅歌8章6節の例
この構造は、雅歌8章6節によって典型的に示されています。
封印のように、私をあなたの胸に、封印のように、あなたの腕に押印してください。愛は死のように強く、ねたみはよみのように激しいからです。その炎は火の炎、すさまじい炎です。(雅歌8:6)
この節における「愛」は、アハバーを指します。「死のように強い」という表現はチャサクを表しており、これは愛の意志的・決意的側面(強い結び付きや固い決意)を示しています。また「ねたみはよみのように激しい」という表現はキナーに対応しており、これは愛の情熱的・熱心な感情的側面を表しています。
従ってこの節は、愛が意志的な強さ(チャサク)と情熱的な熱心さ(キナー)の両方を持つことを示しています。
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