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世界62カ国で宗教的「迫害」や「差別」 2年に1度の「世界信教の自由報告書」発表

2025年11月6日23時11分
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関連タグ:エイド・トゥー・ザ・チャーチ・イン・ニード(ACN)世界信教の自由報告書信教の自由迫害
祈り/聖書/迫害/Prayer/Bible/Persecution+
※ 写真はイメージです。(写真:Doidam 10)

カトリック国際支援団体「エイド・トゥー・ザ・チャーチ・イン・ニード」(ACN)はこのほど、2年ごとに発表している「世界信教の自由報告書」(英語)の2025年版を発表した。それによると、世界の総人口の64・7パーセントに当たる約54億人が、この基本的権利が著しく制限されたり否定されたりする国々に住んでおり、信教の自由が世界中で脅威にさらされている。

ACNによると、世界信教の自由報告書は、各国政府と一切関係のない、信教の自由に関する唯一の報告書。キリスト教のみに焦点を当てたものではなく、あらゆる宗教を対象にした、広範でグローバルな報告書だという。

報告書によると、調査対象の196カ国のうち、宗教的に24カ国が「迫害」状態、38カ国が「差別」状態にあり、計62カ国で信教の自由の深刻な侵害が確認された。前回の調査以降で改善が見られたのは、カザフスタンとスリランカのみだった。ACNインターナショナルのレジーナ・リンチ会長は、「世界人権宣言第18条で保障される思想・良心・信教の自由は、圧迫されているだけでなく、多くの国で消滅しつつあります」と警告している。

宗教的抑圧の主な原因は、政府の権威主義だ。宗教的な迫害や差別が発生しているほとんどの国(「迫害」状態の24カ国中19カ国、「差別」状態の38カ国中33カ国)で、政府は宗教的表現を積極的に監視、制限、あるいは封じ込めていた。

エリトリア、中国、ニカラグア、イランなどの国々では、政府が高度なデジタル検閲やオンライン検閲、違法な拘束を用いて、自律的信仰団体を抑制している。報告書は「信仰の統制が政治権力の道具」となっていると警告し、異論を抑圧するための「宗教弾圧の官僚化」が進んでいると指摘している。

報告書の編集責任者であるマルタ・ペトロシッロ氏は、多くの国で信教の自由に対する法的保護が依然として脆弱(ぜいじゃく)か、あるいは純粋に象徴的なものに過ぎなくなっていると話す。

宗教的抑圧の原因として次に挙げられているのは、国家の統制を超え、着実に拡大している過激派の影響力だ。これは特に、アフリカのサヘル地域やアジアの一部で顕著となっている。「イスラム国サヘル州」(ISSP)や「イスラムとムスリムの支援団」(JNIM)などのイスラム過激派組織は、多数の教会や学校を破壊し、数百万人を強制移住させ、地域社会を荒廃させている。

また、民族宗教的ナショナリズムも重大な懸念要因となっている。インドやミャンマーでは、現地で少数派となるキリスト教徒やイスラム教徒が、法による排除や暴徒による暴力に直面している。ACNはインドの状況を「ハイブリッド迫害」と表現し、差別的法律と政治的にあおられた敵意が混在していると指摘する。

ウクライナ、パレスチナ、ロシア、イスラエル、ミャンマーでの紛争は、暴力と戦争による大規模な難民発生を招き、宗教的権利の浸食を悪化させている。ナイジェリアでは、フラニ族の遊牧民の過激派と関連する武装襲撃者が村々を徹底的に破壊している。サヘル地域全域では、ジハード主義の民兵が数世紀にわたりキリスト教コミュニティーを破壊し続け、スーダンでは内戦によりキリスト教徒が歴史的な故郷から逃亡を余儀なくされている。

世界62カ国で宗教的「迫害」や「差別」 2年に1度の「世界信教の自由報告書」発表
「世界信教の自由報告書」(2025年版)より。宗教的に、赤色が「迫害」状態、桃色が「差別」状態にある国。薄い桃色は「監視対象」の国。

その他、組織犯罪も新たな信仰迫害の主体として台頭している。メキシコとハイチでは、犯罪組織が縄張りの支配を主張するため、教会指導者を誘拐や殺害の対象としている。

さらに報告書は、宗教的不寛容が権威主義国家のみに限定されるものではないことを警告する。欧州と北米では、宗教施設に対する破壊行為や冒瀆(ぼうとく)、襲撃が急増している。23年に記録された教会を狙った事件は、フランスだけで千件近くに上り、ギリシャ、スペイン、イタリアでも数百件の事件が発生した。また、23年10月7日のハマスによるイスラエル攻撃後は、反ユダヤおよび反イスラム行為が急増した。フランスでは反ユダヤ事件が千パーセントも増え、ドイツでは宗教関連の事件が、前年は61件だったのが4千件以上に急増した。

こうした厳しい現状に対し、報告書は回復力と宗教間協力の必要性を強調。モザンビークやブルキナファソでは、信仰に基づく取り組みが、分裂したコミュニティー間の和解と信頼回復を促進していることを紹介している。

リンチ氏は、次のように述べている。

「良心に従って生きる権利は、人間の尊厳の心臓部です。それが尊重される場所では、平和と正義が花開きます。しかし、否定される場所では、人間の精神と社会は基盤そのものを失ってしまいます」

「信教の自由は、その他の全ての人権の温度計です。その衰退は、より広範な基本的自由の崩壊を告げているのです」

ACNはバチカンで開いた報告書の発表会で、国際機関に対し、信教の自由を守るための具体的な措置を取るよう強く求めた。また、信教の自由に対する法的保護強化を促す初の世界規模の請願計画も発表した。計画では、26年11月に国連、欧州連合、および世界各国の民主主義政府に対し、請願を提出する予定だという。

※ この記事は、英国クリスチャントゥデイの記事を日本向けに翻訳・編集したものです。一部、加筆・省略など、変更している部分があります。
関連タグ:エイド・トゥー・ザ・チャーチ・イン・ニード(ACN)世界信教の自由報告書信教の自由迫害
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