インドネシアは近年、より保守的なイスラム教の性格を強めており、特にイスラム背景のキリスト教徒が圧力をかけられる可能性がある。イスラム教徒として育ったインドネシア人がキリスト教信者になった場合、イスラム教に戻るようにという強い圧力、暴言、社会的孤立に直面する可能性が高い。
場合によっては、家族が一切の支援を取りやめることがある。既婚女性は、夫からの離婚の危機を避けるために新しい信仰を秘密にすることがある。キリスト教を信仰しているために、殺害予告を含む多くの精神的虐待に直面している女性もいる。
効果的なテロ対策のおかげで、イスラム過激派によるキリスト教徒への物理的な暴力は一般的ではないが、インドネシアの多くの新しいキリスト教徒は、嫌がらせから逃れるために故郷のコミュニティーを離れ、どこか別の場所に移ることがある。
教会が福音を宣べ伝え、広めていると見られる場合、特に農村部では、すぐにイスラム過激派グループの反対に遭う。インドネシアの幾つかの地域では、非伝統的な教会が教会堂の許可を得るのに苦労しており、当局はしばしば彼らの書類を無視している。
最も迫害の標的にされるのは、イスラム教から改宗したキリスト教徒、特に女性が最大のリスクと圧力に直面している。
アチェ州はシャリーア(イスラム法)によって統治されている。教会は、2015年10月に大規模に閉鎖され、新しい教会を建てることはほぼ不可能である。イスラム教からの改宗者は、そこで最も強い圧力に直面している。
インドネシアのクリスチャンを取り巻く状況は、この1年あまり大きな変化はなかった。イスラム過激派による暴力的な攻撃の脅威は、「一匹狼(おおかみ)」の攻撃を除けば収まっているように見える。しかし、キリスト教徒に対する暴力は、信仰に基づく数件の殺人事件を含め、依然として起こっている。
信仰を拒絶され、差別され、孤立している全ての信者が、慰め主の慰めの深さを知ることができるように祈ろう。家族が信仰の故に分断されることなく、一人インドネシア人の救いから、その人の家族全体に救いが及ぶよう祈っていただきたい。
■ インドネシアの宗教人口
イスラム 80・3%
プロテスタント 10・8%
カトリック 3・1%
儒教 0・9%
仏教 0・4%
ヒンズー教 1・3%