東欧で伝道活動を展開するスラブ福音協会(SGA)によると、この4年間で、SGAのパートナー教会が支援している孤児の数が3倍に増えたそうだ。
SGAの代表エリック・モック氏によると、この理由はパンデミックによるところが大きいという。パンデミックによって親を亡くしたり、親が仕事を失ったりと、さまざまな複合的要因が重なり、子どもたちが影響を受けている。実際、孤児院にいる子どもたちの中には、孤児院に入れたのだから自分たちは幸運な方だと言う子もいるのだ。このような施設にいる子どもたちの多くは、信じられないほど深い悲しみに苦しんでいる。
モックはこれらの子どもたちを「社会的孤児」と呼んでいる。多くはひとり親の家庭で、通常は母親と一緒に暮らしている。しかし、アルコール依存症や薬物使用のために、親が子どもたちをうまく世話できないことがあるそうだ。
ウクライナ政府は、このような子どもたちへの支援を行っていない。そのため地元の教会が唯一の支援を行っていることが多いのだ。SGAの「Orphans Reborn」プログラムを支援することで、この活動を支援することができる。
モックは言う。「私は、ちょうどウクライナの紛争地帯にいました。私が気付いたことの一つは、女性たちでした。未亡人やシングルマザーが子どもを育てているのです」「どうか、彼女たちを強め、慰めてくださるよう神に祈ってください。そして、地元の教会が彼女たちをケアする中で、これらの家族が主イエスに希望を見いだすよう、お祈りをお願いします」
これらの地域が、再び普通の生活に戻ることはないだろう。SGAによると、COVID-19の感染者数は、旧ソビエト連邦の多くの地域で依然として多いそうだ。モック氏は世界中の兄姉らに祈りを求めて言う。
「教会も危険にさらされているので、どうかそれらの教会のために祈ってください。当地の彼らは、何の恐れもなく働いているようです。彼らはパンデミックが存在することを知っています。COVID-19が自分たちの命を奪う可能性があることも知っています。しかし、共産主義の時代を乗り越えた彼らにとって、福音を妨げようとする脅威は、何ら真新しいものではなく、戦わなければならないもう一つの敵にしか過ぎません」
パンデミックだけでなく、紛争によって著しく疲弊するウクライナで、これらの影響に苦しむ孤児が増えているというのは、心が痛む。やもめと孤児を愛される主が、彼らの悲しみを和らげ、永遠の福音の中に希望を見いだすことができるよう祈っていただきたい。
■ ウクライナの宗教人口
正教 61・2%
プロテスタント 5・8%
カトリック 10・1%
無神論 19・5%