近年、爆発的に成長したホンジュラスの福音派プロテスタントは、1960年には人口の1・7%だったが、ラテンアメリカの調査会社CIDギャラップの21年調査によると、今ではなんと人口の48%になる。ローマ・カトリックは34%なので、この10年で両者は逆転したことになる(2010年:カトリック73%、プロテスタント25%)。
しかし、ホンジュラスの社会問題は根深い。最も基本的な問題は貧困だ。子どもは人口の半分以上を占め、ほとんどが貧困にあえいでいる。家族を求めて米国に渡ろうとするが、多くの者が米国にたどり着く前にメキシコやグアテマラの刑務所で苦しむことになる。
同国は中南米のどの国よりも多くのゴミ捨て場を漁る子どもたちがいる。ギャングは、弱い立場の子どもたちをメンバーや性労働者として搾取している。中米のエイズ患者の60%は同国が占める。
組織犯罪は麻薬カルテルとつながっており、社会で権力を握っている。義を重んじ、貧富の差をなくす賢明なリーダーと政府が必要だ。同国のキリスト信者が世の光、地の塩となって社会問題と社会悪が一掃され、キリスト信者が多数派を占める国にふさわしく、聖めが国の隅々に及ぶよう祈っていただきたい。
■ ホンジュラスの宗教人口
カトリック 33・8%
プロテスタント 47・9%
イスラム 1・2%