年々発行枚数が減少傾向にあるものの、新年のあいさつとして定番の年賀状。中には、心を込めて宛名などを一枚一枚手書きにしている人もいるはずだ。その中でどうしても出てしまうのが書き損じ。そうした書き損じの年賀状を、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に役立てたり、アジアの子どもたちの支援につなげたりできるキャンペーンが始まった。
始まったのは「アジアの子どもを支える書き損じハガキキャンペーン2023」。キリスト教系の国際NGO「チャイルド・ファンド・ジャパン」が、年賀状シーズンに合わせて毎年開催しているもの。
キャンペーンでは、未使用または書き損じた年賀状の他に、官製ハガキや未使用の切手も募集する。回収したハガキを郵便局で新しい切手に交換し、交換した切手や未使用の切手を郵便物発送時に利用することで経費を削減。節約できた経費を支援活動に回す仕組みだ。
ハガキを新しい切手に交換するには、1枚5円の手数料がかかる。これが2023年4月からは10円に値上げされるため、「ご寄付を最大限活用するためにも、お早目にお送りください」と呼びかけている。
チャイルド・ファンド・ジャパンの支援国の一つであるスリランカは現在、1984年の独立以来最悪の経済危機に直面している。5キロで625ルピー(約250円)だった米の値段が、2倍以上の1300ルピー(約520円)に跳ね上がるなどしており、貧困地域の子どもたちと家族の生活に甚大な影響を与えている。
燃料不足も深刻で、ガソリンスタンドには長蛇の列が。バスの運賃なども高騰し、「海外で働いて、お母さんにもっといい暮らしをしてもらうことが夢でした。でも、交通機関の運賃が高すぎて、通っていた日本語学校にも通えなくなってしまいました」と、自らの夢を諦めざるを得ない子どもたちもいるという。
チャイルド・ファンド・ジャパンは、スリランカを含めたアジア各国の貧困地域の子どもたちや家族に対し、食糧支援や教育支援を行っている。こうした支援活動を通して、SDGsの第3の目標「全ての人に健康と福祉を」や、第4の目標「質の高い教育をみんなに」の達成に貢献することができる。
キャンペーンの概要は以下の通り。
<集めているもの>
未使用または書き損じた年賀状・官製ハガキ、未使用の切手
※少量でも古くても問題なし。
<募集期間>
通年
<送付先>
〒167-0041 東京都杉並区善福寺2-17-5
チャイルド・ファンド・ジャパン ハガキ係
<個人情報について>
ハガキは事務所で責任をもって管理した後、最終的に郵便局で溶解処理される。個人情報の部分を塗りつぶして送っても問題なし。