Skip to main content
2026年6月25日16時34分更新
クリスチャントゥデイ
メールマガジン サポーターのご案内
メールマガジン サポーターのご案内
Facebook Twitter
  • トップ
  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
  • 記事一覧
  1. ホーム
  2. 論説・コラム
  3. コラム
不条理なる死を不可知の光で中和せよ

福音は力である?(その2)

2022年6月9日20時27分 インタビュアー : 藤崎裕之
  • ツイート
印刷
関連タグ:藤崎裕之
不条理なる死を不可知の光で中和せよ―キリスト教スピリチュアルケアとして―(23)+

不条理なる死を不可知の光で中和せよ―キリスト教スピリチュアルケアとして―(23)

※ 前回「福音は力である?(その1)」から続く。

経典の民

イエス・キリストが言い広められることを、ユダヤ人たちが「民族の恥」と考えていたことは、パウロも自分自身の経験から身に染みて知っていたのだろう。確かにユダヤ人には立派な経典があり、通常、われわれはそれを旧約聖書と呼ぶが、その経典はギリシャ語にも翻訳されて、ローマ・ギリシャ世界では少なからず影響があったはずである。世界の由来からユダヤ民族の歴史、そして預言の書や詩編、知恵の書と、このように多様な書物というものはそうそうに目にかかることがない。世界はそもそも何であるのか、人間とはどういう存在なのか、聖書はある時ははっきりと答え、ある時は読者に考えることを求める。それは哲学をする者にとっても大変に有意義であり、魅力あるものであった。だからこそ、ユダヤの言葉に限らず、ギリシャ語にまで翻訳されたのである。

もちろん、ローマ・ギリシャの知識人は、旧約聖書には来たるべき救い主(キリスト)が預言されていることも知っていた。また、このことはわれわれも知っておかなければならないのであるが、当時の地中海世界には、ユダヤの地を離れて生活しているイスラエルの末裔(まつえい)、つまり聖書の民が大勢おり、そういう人々が「経典の民」として生きつつ、各地の文化を取り入れながら生きていたのである。それでも十字架で殺された罪人が、まさか本当の救い主だと信じられるような発想を旧約聖書から受け取ることはできなかったであろう。

ガラテヤ

地中海の町々にあったようなユダヤ人のコロニーは、エルサレムの東西南北に広がっていた。バビロン捕囚を経験した人々の末裔は東にいたし、南にはエジプトを中心に、アラビアにもユダヤ人がいた。北はガラテヤということになるだろう。ガラテヤはガリア人の地という意味で、彼らはいわゆるケルト系である。ガリア人はフランス南部とガラテヤと呼ばれたトルコ中部が生活圏であったが、トルコ中部のガリア人の国家はローマとの戦いに敗れて属州化されており、当然に納税義務があった。しかし、もともとガラテヤは山岳地帯で貧しい土地であったので、経済的には困窮していたらしい。ローマに対する納税義務は奴隷奉公(この場合、多くは兵役)によって直接納税されていたといわれている。

離散したイスラエルの末裔がガラテヤに逃げ込んで、そこでガリア人と共存していたとしても何も不思議ではない。もっともイスラエルの離散は、ガリア人到達よりもずっと前のことであるから実際のことは私には不明である。しかし、それでも確実に言えそうなことは、ガラテヤにもユダヤの経典は到達していただろうということである。そうでなければ、パウロが短期間でキリストを伝えることは不可能であったと思うからだ。また、ユダヤと同様に、征服された民としてのガラテヤの人々にとって、ローマの価値観とは違う聖書の世界観というのは、ある意味で親近感を得やすいものだったのかもしれない。とにかく、ガラテヤはパウロにはなじみやすい場所であり、その地の人々とは共感し合える関係であったと想像できるのだ。

回心そしてアラビアへ

地中海世界におけるユダヤ的な背景はここでは論述しないが、ローマには前回述べたとおり、キリスト信仰を持ったグループがすでにおり、そうした人々はパウロが旧約聖書から語っても、「何のこっちゃ」ということにはならい。むしろ、パウロの言葉によってキリスト信仰を強化することができたのである。自分たちが抱くキリスト信仰が、反キリスト的なユダヤ人が宣伝するような「恥ずかしい」信仰ではなく、逆に旧約聖書から確かにたどることができる信仰であるという確証を与えられたのである。

パウロはもともと熱心なファリサイ派であったから、旧約聖書に関しては相当な知識があった。サドカイ派と違ってファリサイ派は預言者への尊敬心もあつく、救い主に対する待望もあった。だから逆に言えば、イエスに対しても大きな関心を寄せていたはずである。その証拠にネガティブではあるが、彼らがイエスの活動を絶えず気にしていたことは福音書から読み取れる。

パウロ自身はイエスの活動の目撃者ではないが、そのうわさは耳にしていたかもしれない。パウロがまさにサウロと名乗っていたときに、彼はキリスト教徒の迫害に手を貸していたのだが、ダマスコへの途上で復活のイエスに出会い、そしてキリスト教に回心したのである。それは紀元37年ごろであったと推察されるのであるが1、それから約3年間はアラビアにこもっていたらしい(ガラテヤ1:17)。地図を確認すると、ダマスコは今のシリアの首都とだいたい同じ場所であるが、ヨルダン川の東側、ガリラヤ湖から見ると北東方向に位置している。

回心してすぐに伝道には行かない

で、「アラビアとは?」ということになるが、アラビアに対する認識は、当時と現代では大きく違うようである。通常、われわれは今のサウジアラビアを含めた広大な地域を想像してしまう。ところが当時の認識では、ダマスコからペトラ遺跡くらいまでの地域で、ナバテア人の王国だった場所を示しているようである。ナバテア王国の歴史というのはあまり知られていないし、実際に王国としてキリスト教を受け入れていたわけでもないので、キリスト教史全般からすれば取り上げられない場所でもある。それでもシルクロードの街道沿いに位置しているから、当然のごとくいろいろな民族の交流があった場所である。ペトラには後の時代に造られたキリスト教の施設も残されている。ペトラ遺跡はヨルダン王国の中にあって今では立派な観光地になっている。そのペトラとエルサレムは意外に近い。エルサレムから南下し、ベエルシェバを経由して南東に進めば、ほどなくペトラに行き当たる。

パウロがペトラにこもっていたという証拠などないのだから無視してもよいのだが、ではなぜアラビアに退いたのかを考えることは重要であろう。要するに、彼はまずは逃げたわけであるが、第一に思い付くのは、ユダヤ人を恐れたということ。次に考えられるのは、じっくりと信仰を吟味するためではなかったかということである。いくら復活のキリストの顕現を体験したとはいえ、すぐに伝道者になれるわけではない。何より12弟子も、3年間はイエスと共に過ごして教えを受けているのである。そういう意味でエルサレムではなく、アラビアで3年過ごして、いわば半修道的な生活をしながらキリスト信仰を磨いていったのではないだろうか。これを内証と呼んでもよいのだが。

われわれの人生にも、思いもよらぬ感動はある。これぞ神の導きだと、びっくりしてしまうような出来事だ。しかし、感動だけで突っ走ってはならない。それはいわば、己の感情に従う行動だ。いったん心を冷まして、自分自身について感情だけではない、もう少し深い内証が必要なのだ。そうでなければ何事も失敗する。試練を乗り越えていけない。何よりもパウロ自身が「私が聞いたキリストの声」について吟味を重ねたことであろう。パウロはけして即席の使徒ではないのだ。そして3年を経た後、パウロはエルサレムへ行ってペトロと主の兄弟ヤコブに面会することになるのである。(続く)

<<前回へ     次回へ>>

■ 福音は力である?:(1)(2)(3)

  1. ジャン・ダニイルー著、上智大学中世思想研究所訳『キリスト教史1 初代教会』(平凡社、1996年)64ページ

◇

藤崎裕之

藤崎裕之

(ふじさき・ひろゆき)

1962年高知市生まれ。明治から続くクリスチャン家庭に育つ。88年同志社大学大学院神学研究科卒業。旧約聖書神学専攻。同年、日本基督教団の教師となる。現在、日本基督教団隠退教師、函館ハリストス正教会信徒。

※ 本コラムの内容はコラムニストによる見解であり、本紙の見解を代表するものではありません。
関連タグ:藤崎裕之
  • ツイート

関連記事

  • 口数の多い死体? ヨブ記考察(その1)

  • やっかいな話(その1)

  • 人生は三度くらいおいしい(その1)

  • 転生なきビジョンはない(その1)

  • エデンの東 終日(ひねもす)のたり のたりかな(その1)

クリスチャントゥデイからのお願い

皆様のおかげで、クリスチャントゥデイは月間30~40万ページビュー(閲覧数)と、日本で最も多くの方に読まれるキリスト教オンラインメディアとして成長することができました。この日々の活動を支え、より充実した報道を実現するため、月額1000円からのサポーターを募集しています。お申し込みいただいた方には、もれなく全員に聖句をあしらったオリジナルエコバッグをプレゼントします。お支払いはクレジット決済で可能です。クレジットカード以外のお支払い方法、サポーターについての詳細はこちらをご覧ください。

サポーターになる・サポートする

人気記事ランキング

24時間 週間 月間
  • 救世軍清瀬病院が来年3月末で閉院、診療は今年11月下旬めどに終了

  • いのちの言葉聖書学校が卒業式、5人が新たな歩みへ

  • Gゼロ時代の津波石碑(10)【久保有政氏に聞く】仏教とキリスト教のつながり(前半) 山崎純二

  • 韓国異端「新天地」の李萬熙総会長を逮捕、信者5万6千人を政党に強制入党させた疑い

  • 日ごとのパンを求めて―ジョージ・ミュラーの生涯(6)フランケの「孤児の家」

  • 旧統一協会の解散命令が確定、最高裁「必要でやむを得ない」 特別抗告を棄却

  • 日本キリスト教海外医療協力会、新会長に柳澤理子氏 椙山女学園大学教授

  • 「ヘブライズムが世界を救う」 ジーザス・ジューン・フェスティバル2026、東京・新宿で6月29日

  • 神学の限界と突破口(5)第1章 主な論争と解決─「聖霊論」の論争 三谷和司

  • ワールドミッションレポート(6月24日):メキシコ カルテルと伝統の狭間で─暴力に耐えるキリストの弟子たち

  • 国旗損壊罪の創設に反対、日本キリスト教協議会が声明

  • 救世軍清瀬病院が来年3月末で閉院、診療は今年11月下旬めどに終了

  • Gゼロ時代の津波石碑(10)【久保有政氏に聞く】仏教とキリスト教のつながり(前半) 山崎純二

  • 旧統一協会の解散命令が確定、最高裁「必要でやむを得ない」 特別抗告を棄却

  • 聖書原語への招き─霊に燃え、主に仕えるために(11)パン種の譬えで示す神の国 白畑司

  • 神学の限界と突破口(5)第1章 主な論争と解決─「聖霊論」の論争 三谷和司

  • 両足に6本の指持って生まれた少年、キリスト教慈善団体の医療支援受け走れるように

  • トランプ氏のイラン戦争と移民政策、福音派で評価二分 否定的回答が半数超える

  • 「世界難民の日」 ワールド・ビジョンが8カ国で調査 子ども守る「自立」の重要性訴え

  • いのちの言葉聖書学校が卒業式、5人が新たな歩みへ

  • 国旗損壊罪の創設に反対、日本キリスト教協議会が声明

  • 米メガチャーチがビーチで洗礼式、過去最多の2552人が受洗

  • 着工140年以上のサグラダ・ファミリア、主塔「イエスの塔」完成 NHKが特番

  • 「聴く隣人のいるところ」 キリスト教高校の1年間が伝える「自由とは何か」問う大切さ

  • 日本人に寄り添う福音宣教の扉(250)未信者とセカンドチャンスに潜む大きな課題 広田信也

  • 神学の限界と突破口(4)第1章 主な論争と解決─「贖罪論」の論争 三谷和司

  • 戦後のキリスト教ブームの中で生まれた口語訳聖書、今にも生きるキリシタン時代の聖書訳

  • 聖書全巻の翻訳、800言語で完成 飛躍的に加速する聖書翻訳

  • 「祈りなくしてリバイバルは起こらない」 日本リバイバル同盟が創立30周年

  • 「ありがとう」か「あたりまえ」か 佐々木満男

編集部のおすすめ

  • 「今、求められているのは、慰めと癒やし」 能登被災者支援でゴスペルコンサート

  • 「祈りなくしてリバイバルは起こらない」 日本リバイバル同盟が創立30周年

  • 芥川賞作家の鈴木結生氏らが登壇、青山学院大学で口語訳聖書刊行70周年記念講演会

  • 四国の教会が教団教派超え一致 「愛と希望の祭典・四国」閉幕、延べ3千人以上が参加

  • 「あなたの人生は、必ずよみがえる」 第63回首都圏イースターのつどい

  • 教会
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
  • 宣教
  • 教育
  • 国際
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
  • 社会
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
  • 文化
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
Go to homepage

記事カテゴリ

  • 教会 (
    • 教団・教会
    • 聖書
    • 神学
    • 教会学校・CS
    )
  • 宣教
  • 教育
  • 国際 (
    • 全般
    • アジア・オセアニア
    • 北米
    • 欧州
    • 中南米
    • 中東
    • アフリカ
    )
  • 社会 (
    • 全般
    • 政治
    • NGO・NPO
    • 地震・災害
    • 福祉・医療
    )
  • 文化 (
    • 全般
    • 音楽
    • 映画
    • 美術・芸術
    )
  • 書籍
  • インタビュー
  • イベント
  • 訃報
  • 論説・コラム (
    • 論説
    • コラム
    • 執筆者一覧
    )

会社案内

  • 会社概要
  • 代表挨拶
  • 基本信条
  • 報道理念
  • 信仰告白
  • 編集部
  • お問い合わせ
  • サポーター募集
  • 広告案内
  • 採用情報
  • 利用規約
  • 特定商取引表記
  • English

SNS他

  • 公式ブログ
  • メールマガジン
  • Facebook
  • X(旧Twitter)
  • Instagram
  • YouTube
  • Threads
  • RSS
Copyright © 2002-2026 Christian Today Co., Ltd. All Rights Reserved.